マリオンに始まり、コティヤールに終わる
c2010 Warner Bros. Entertainment Inc.
「インセプション」遅ればせながらやっと観れました!
上映時間も長く、なかなかタイミングが合わなかったんですが、
「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン監督作品とあれば、見逃すワケにはいきません!
さぁ、久しぶりの長文記事になりますよ〜。
もう殆どの人がご覧になったかとは思いますが、
すんごい作品ですね。
人間の夢の中に侵入してアイデアを盗む。
それどころか、侵入し逆に深層心理の深い部分にアイデアを植え付ける!
(劇中ではこれを「インセプションすると言う」)
植え付けれられた人間はそれが自分のアイデアだと思い込み、その行動を操られてしまう。
どっからそんな発想が生まれてくるのやら・・・
テイスト的には「マトリクス」に似てます。
「マトリクス」は現実世界と電脳世界、「インセプション」は現実世界と深層心理の世界。
でも「マトリクス」との決定的な違いは、主人公目線で作品を鑑賞できるかどうか。
「マトリクス」は主人公・ネオの目線で、
ストーリーが進むにつれコンピューターが支配する現実世界を知っていくことができる。
その分観客も感情移入や、その世界観に入って行きやすい。
その点「インセプション」は観客がより能動的に世界観を理解する必要があります。
いきなり「夢」の中の世界からストーリーが始まりますからね。
僕の周りの人で「途中から難しくて・・・」という声もチラホラ聞こえたのはこのせいかな。
僕も頭をフル回転させながら観ました。
いや、面白かった。
欲を言えば、もう少し登場人物それぞれの役割を判り易く表現して欲しかったのと、
各人物の“背景”を少しでもいいので盛り込んで欲しかった。「ダークナイト」みたく。
あと、アクションシーンだな。これは正直ちょっと雑に感じて物足りなかった・・・
あんだけ敵が多けりゃ、もっと圧倒的にドンパチやらんと2〜3人軽く死ぬべ??
それこそ、台詞にもあったように「どうせ夢なんだし」。
クライマックスでディカプリオ演じる主人公コブがどうやって現実世界に戻ってきたのか?っていう描写も欲しかったな。
まぁ、あれはあれでまさに「夢から覚めた」感の演出とも受け取れるけど。
いい作品だっただけに、そこが揃ってれば「ダークナイト」とか「マトリクス」みたいに完璧な映画になったと思う。
とはいってもその発想・着眼点は素晴らしいし、
映像化してしまうあたりは、ホント、見事と言うしかない。
で、マリオン。
これはホント脱帽。
ネタバレになりそうなので、あまり深くは言えませんが、
マリオン・コティヤールが重要なキーを握る人物で登場します。
さらに劇中で「夢」の世界から現実世界に戻る(夢から覚める)ために音楽が重要な役割を果たすのですが、
その音楽がエディット・ピアフの『水に流して(私は後悔しない)』という曲。
僕はマリオンが登場し(かなり序盤から登場しますが)、その後エディット・ピアフの歌うこの曲が流れた時、
「やるよね〜、ノーラン!」って思わず呟いてしまいました。
2007年に公開された、「エディット・ピアフ〜愛の賛歌〜」。
主人公ピアフを演じたのは他でもない、マリオン・コティヤールその人だからです。
その人物&音楽両方に重要な意味を持たせるあたり、
「気がつくか??」ってノーラン監督からの挑戦状的なニオイもしました・・・
さらにラストクレジットでも『水に流して(私は後悔しない)』が流れる。
自分が夢から“キック”で目覚めるかと思いました。
さらにさらに、YouTubeで騒がれているようですが、
この『水に流して(私は後悔しない)』をスロー再生すると、、、「インセプション」のテーマ曲になるというオマケつき。
www.youtube.com/watch?v=UVkQ0C4qDvM
やるよね〜、ノーラン。
曲のサブタイトルにもある「私は後悔しない」という言葉。
これも劇中で意味を持ってくる。(ケン・ワタナベの台詞に注目!)
ホント、やるよね〜!
ラストシーンも「どっちなんだろう・・・?」って思わせるような終わり方。
それぞれ解釈があると思うけど、僕はあのコマが回り続けることは無いと信じたい。
理由は、、、残念ながらここでは言えません。
完全にネタバレになるから。
いろんな意味で、
マリオン・コティヤール=エディット・ピアフに始まり、
マリオン・コティヤール=エディット・ピアフに終わる作品だったかなぁと。
皆さんそれぞれの解釈でお楽しみください!
たなか
P.S.
「ネタバレでも良いから聞きたい!」って方がいらっしゃれば、
ツイッターで@OperationYasimaを探してみてください。
番組スタッフ皆で呟いてます。