「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」沖縄キャンペーンで監督・キャスト来沖!!
先日来沖された若松孝二監督、井浦新さん、満島真之介さんにインタビューをして来ました。作品は現在桜坂劇場で公開中の「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」。巨匠、若松孝二監督にお話が伺えるという事で私もこの日を楽しみにしていました。
監督気質の気難しい方かもしれないと云うプレッシャーもありましたが、それよりも実際に逢って映画のお話が聞ける事に対する喜びでドキドキでした。
撮影場所は新都心の”おもろ殿内”。お店に入っていらした若松監督、スタッフ一同気が引き締まり緊張感が漂ったのも束の間、とてもフランクで和やかにお話を始めて下さいました。
今回の作品に対してありのままの出来事を受け止めて欲しいと話す若松監督。今の若い世代の人達は真実をしっかりと受け止める必要があると力強く仰いました。
私も「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」を観て三島事件について新しく知る事が沢山あったと同時に、沖縄戦争や今の日本の抱えている問題がリンクし、身体中を様々な感情がめぐりました。私たちは歴史の上に生きているんだと改めて考えさせられます。
撮影秘話として「劇中はずっと真剣を使っているんだよ」と若松監督。「真剣は輝きが違うし、そこに在るだけでその場の空気感が変わる。神聖な空気が流れると同時に役者にも良い緊張感が伝わるんだ」と話して下さいました。
目に見えない物、静寂を重んじる日本人ならではの映像が映し出されています。
作品の至る所に日本の美徳が詰め込まれた「11.25自決の日」。作家、三島由紀夫を演じた井浦新さんは「モノマネをするのではなく、自分なりの三島を監督と創り上げ全ては熱い気持ちだけで演じました。」と世界的にも有名な近代の人物を演じる上での役作りの仕方を教えてくれました。
また、「DVDではなく是非劇場に観に行ってください。大きなスクリーンでないと分からない細かい顔の表情や筋肉の動きなどを観て感じて欲しい。僕たちは毛穴で演技をしているんです。」と語って下さり、そのお話を聞いて役者という凄みを感じ鳥肌が立ちました。
三島由紀夫に忠誠を誓い共に割腹自決をした森田必勝を演じた満島真之介さんは「監督に食らいついていくという勢いと同時に負けるものかという気持ちがあった。」と若松監督と一緒に仕事をした事に対する喜びを話して下さいました。
また番組の視聴者にメッセージをお願いすると「特に自分と同じ世代の皆さんには観て欲しい作品です。携帯を触る2時間があったらこの映画を観てください!僕にその2時間をください!」と熱く語りかけ、その言葉に監督も拍手を贈りました。
強い眼差しとブレない意識を持った森田を表現した満島さん。端正なお顔立ちに加え、劇中の彼の力強い表情に何度も涙を流しました。武将、侍、全てを凌駕した日本人というアイデンティティを彼の中に観た気がします。インタビュー中は笑顔が多く監督、新さんの笑顔を引き出して下さるムードメーカーな存在でした。
映画の世界に生きる、まさに映画監督と云う言葉がしっくりとくる若松監督。そして役者という在り方を感じさせてくれる思想と柔らかい空気感を持った新さん。23歳という若さで落ち着きのある堂々とした出で立ちの中に謙虚さが溢れる満島さん。
短い時間の中でしたが内容の濃いお話を聞く事ができ、とても幸せな時間を過ごさせて頂きました。「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」、とても素晴らしい作品です。
内容も勿論、出演者の演技を超えた表現にとても魅了されます。是非大きなスクリーンで力強くも繊細な演技を愉しんで下さい。私ももう一度劇場へ足を運ぼうと思います。その際には読み応えのある若松監督こだわりのパンフレットも一緒に購入するつもりです。
ちょっとした書籍と同じくらいの内容量だとお聞きしました。映画を観終わって、もっと詳しく歴史を知りたい、学びたいと思った時に全てが凝縮されたパンフレットがあると嬉しいですよね。是非みなさんも覗いてみてくださいね。
このインタビューの模様は7月13日(金)深夜0時20分からオンエアーのチネパラでお伝えしますので、どうぞご期待下さい!
福田萌子