2009年6月10日 水曜日

それでもやっぱり

staff @ 11:38:26

僕は今年は「T4」です。
多分、しばらくこれを超える作品には出会えないような気がします。

「T4」に関しては、先日も長々と書きましたが、
それでも書き足りないので、もうちょっと言わせてください。
かなり主観が入ってます。
それと、限りなくネタバレに近づくのでご注意を。
んで、さらにものすごい長文になるのでご容赦を。。。

作品を観て一週間が経ったのですが、
ここまで心に残っている作品は本当に久しぶりです。
「心に残ってるレベル」でいうと、「マトリクス」を観た時と同じぐらい。
「衝撃度」はさすがに少し及びませんが・・・

で、この一週間、「なんでそんなに気に入っちゃったのか?」って自問自答してたワケです。
そしてようやく一つの答えにたどり着きました。

それは、、、
「この作品によって『ターミネーター』シリーズは完全に復活し、
『スター・ウォーズ』や『マトリクス』シリーズと同様に、『サーガ』の世界に到達したのではないか?」という答え。

とても失礼な言い方になりますが、
僕は、「ターミネーター3」を観た時、「『ターミネーター』シリーズもこれで終わったな・・・」と、思いました。
物語的にも“終わり感”たっぷりだったし、「シュワちゃんが出てる」ってだけで、あとのキャストは「はぁ!?」って感じでした。
特にジョン・コナー。
シリーズ産みの親、ジェームズ・キャメロンが「T2」でこの世に送り出し、
エドワード・ファーロングが体現したジョン・コナー像から、かけ離れたモノになってしまった。
いろんな意味で、「T3」で終わった感があった・・・
これは先日のインタビューで、マックG監督も言及していた。
監督いわく、「もう一度『ターミネーター』を神話のレベルに持って行きたかった」と。

マックGとクリスチャン・ベイルのコンビは、今回の「T4」で、「ターミネーター」を完全に復活させました。
「T1」、「T2」で描かれた世界観や人物像を、とても忠実に、且つ、オリジナリティ溢れる内容で焼き付けています。

それをとても感じたシーンが、ジョンとカイルが初めて出会うシーン。

ジョン・コナーは、スカイネットに捕らわれたカイル・リースを救出に行く。
もしカイルが殺されれば、自分の存在は消えてしまうから。

そして、ジョンは生まれて初めて自分の父親のカイルに出会う。
カイルはこの時まだ10代の少年。

カイルはこの後、ジョン自身の手で、「母親=サラ・コナーをターミネーターから守る」という任務のために、過去に送られる。
(「T1」で描かれている話)
ジョンは、この時すでに、カイルが過去でどうなってしまうか(=死)を知っている・・・

生まれて初めて見る父親。
父親と初めて会う嬉しさ。
父親がまだ少年であるという、頭では分かっているけど・・・って感じの戸惑い。
この後父親を待っている運命。
それも自分が命ずることによって生じる運命。
そして、これら全てを一切話すことができないもどかしさ・・・
決して「お父さん」と呼んではいけないという関係性。

これらすべてが詰まった表情を、クリスチャン・ベイルが見事に演じています。
しかもセリフほとんどナシの、表情だけで演じます。
パーフェクトです。

「ターミネーター」シリーズを知っていればこそ、
そして、シリーズをリスペクトしていればこその演出・演技です。

この部分の演技に関してはインタビューでも触れているので、
クリスチャン・ベイル本人から聞いていただきましょう。
次回のチネパラで紹介します。

もうひとつ、クリスチャン・ベイルの表情演技が秀逸なシーン。
皆さん、もうご存じかもしれませんが、今回の「T4」にはT−800がダダンダンダダンっと登場します!
T−800、そう、シュワちゃんです。

ジョン・コナーにとって、T−800はかつて(T2・T3)自分の味方、命を守ってくれる味方でした。
特に、「T2」のラストなんて、涙無しには観られないシーンで、そこにはジョンとT−800の“友情”が描かれてましたね。
そんなジョンが久しぶりに会う、T−800。
あきらかに自分を“敵”と認識し、攻撃しようとするT−800に対し、ジョンは一瞬固まってしまいます。
“想い出”が邪魔をするわけです。

このシーンの、クリスチャン・ベイルの表情がめっちゃめちゃイイ!!

いや、ホント、ジョン・コナーがクリスチャン・ベイルで良かった。

こんな感じで、随所に旧作シリーズへのオマージュ、リスペクトが散りばめられ、
(そういうセリフや、音楽とかも出てきます)
見事に「ターミネーター」シリーズすべてを“昇華”させてくれました。

サム・ワーシントンについても語りたいけど・・・

あまり長文になっても読むのが辛いと思うので、
プレスから作品プチ情報を。

■マックGのこだわり
わざわざ古いフィルム探し、それをなんと“天日干し”にして質感を落とし、
さらに、通常よりも多くシルバーを足して、核戦争後の世界観・質感を出した。

■CGに頼るのを嫌い、爆破のシーンではほとんどすべてのシーンで実際に“爆破”を行っている。
特に注目なのは、サム・ワーシントン演じるマーカスが、タンクローリーの爆破で巨大ターミネーターを
破壊しようとするシーン、本物の爆破だそうです。
この1シーンを撮影するために、12週間かけて準備し、250ガロンのガソリンを本当に爆発させた。
確かに炎と煙の色が違います。

個人的に「すげぇ」と唸ったシーンは、
映画冒頭、ジョン・コナーがヘリでスカイネットのアジトのひとつから脱出するシーン。

カメラワークがスゴイ!!
そして、件のシュワちゃん登場シーン。
その登場の仕方や、先ほど書いたクリスチャン・ベイルの演技に、思わず拍手しそうになりました。

このブログ始まって以来、こんな長文書いたのは初めてです。
それぐらい、僕は「T4」にハマってしまいました。

久しぶり、本当に久しぶりに、「TVでは敵わない、映画の真骨頂」を見せられた作品でした。

僕は番組スタッフにこう言っています。
「この作品を劇場で観なかったら、半年口きかん」と。

ていうか、一緒に語りたい作品なんです。

これを劇場で見逃したら、今年の映画事情、70%以上は損すると思いますよ。
いや、100%か!?

ちなみに、先週の先行上映3日間だけで、
番組調べの沖縄での観客動員ランキング、3位に入ってます。

皆さんはどう感じられるでしょうか?
今週末、いよいよ公開です。

たなか

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