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さて今年は、戦後73年の年、時が経っても、今も沖縄戦の記憶に苦しむ人々がいます。ある精神科医の活動で、沖縄戦による心的外傷後ストレス障害、戦争PTSDと名づけられ広く認識されるようになりました。

先日、この医師と戦争体験者による講演会が開かれました。

蟻塚医師「私たちが見つけたPTSDというのは、戦後67年たってからできたPTSD」

沖縄戦とこころ 沖縄戦PTSD

浦添市で行われた沖縄戦によるトラウマや戦争の悲惨さについて学ぶ講演会。語ったのは沖縄戦PTSDについて調査研究している精神科医、蟻塚亮二医師です。

沖縄戦PTSDによって沖縄戦を体験したお年寄りが戦後73年が経つ今も戦争の記憶に苦しめられているといいます。

蟻塚亮二医師「トラウマによる否定的認知こういうものっていうのが、沖縄の社会の中であるかもしれない。それは、簡単にいうと自分と未来に対して何事もどうせだめさと早々とあきらめる傾向」

蟻塚医師によると、戦争トラウマを持つPTSDによって戦後も自己肯定感が持てず生活困窮状態や家庭不和など世代間で沖縄戦を引きずる現状が今の沖縄から見えてくるというのです

沖縄戦とこころ 沖縄戦PTSD

中山きくさん「毎日沖縄戦を思い出さない日はない」

また、講演会には元白梅学徒で白梅同窓会の中山きくさんも参加。傷病兵の切断手術や看護にあたったときの生々しい体験を語ったうえでメッセージを送りました。

中山きくさん「私のような戦争の人生を歩まないで下さい。くちぐせなんです。おもっただけでは物事は変わりません。また口癖です。それでそういう平和に逆行するようなことが起こったらそれを止めるために行動しなさい。

蟻塚亮二医師「体験者が語るというのは、戦場の体験が全部浮上してくるわけだからトラウマの再体験に近い」

蟻塚医師によると沖縄戦トラウマは、 今を充実して生きている人には表面化しにくいと話します。しかし、死を目撃した距離感が近ければ近いほど心に強烈な影響を与え強いトラウマが残るとしていて今後も調査研究が必要だと訴えていました。

戦争を二度と繰り返してはいけないと、語ってくれるおじいちゃんおばあちゃんの言葉は、話す時に、戦争の記憶がよみがえり、強い痛みをともなっていることを、私たちは心したいですね。