Qプラスリポートです。沖縄本島からわずか20キロ余りにある鹿児島県与論島(よろんじま)。そこで、20年以上続く子どもたちの交流祭があります。沖縄と与論とをつなぐ1日を取材しました。
先月23日、本部港に集まった小学生や高校生が次々と船に乗り込んでいきます。
小学生「(Q楽しみですか?)はーい楽しみです。超楽しみです!」
船に揺られることおよそ2時間半、やってきたのは沖縄から一番近い県外の島、鹿児島県与論島です。到着するやいなや、楽器を手に準備を始める子どもたち。きょうは、1年に1度の音楽交流祭の日です。本番までわずか3時間!集中して練習します。
1997年に始まったヨロン・沖縄音楽交流祭。きっかけは名護高校吹奏楽部が合宿の下見に訪れたことでした。当時本格的な吹奏楽部がなかった与論に沖縄側から出向いて演奏技術の向上や互いの交流をはかろうと始まったのです。
与論高校生徒「(沖縄の生徒は)みんなとてもうまくて勉強になります。」
小4から参加している与論中学生「(音楽祭は)沖縄の人達と一緒に触れ合えるいい場所です。間違えないように演奏できるように頑張りたいです」
こちらは、第1回当時から設けられている無料の楽器修理コーナー。楽器店がない与論島では、この交流祭がメンテナンスの貴重な機会でもあります。
神里さん「また何かあったら言ってね」
教育長「小さな島にいる子どもたちが音楽を通した人たちとコミュニケーションを図るという意味では大きな成果を出しているものと思います。鹿児島県大会で良い賞をいただいたりしたこともありました。(音楽交流祭は)本当にありがたいことだと思っています」
島の人たちが集まってきました。いよいよ音楽交流祭のスタートです!今年は、与論島の全小中高校、沖縄からは小学校から大学まであわせて13校が参加しました。
与論出身で、名桜大学3年生の増尾朝子さん。小学校3年生の頃からこの交流祭に参加していました。
増尾朝子さん「島では見られない演奏などいろいろ見られてすごく大好きなイベントでした。今回は与論にいる小中学生にも与論では聞けない演奏や見られないものを今度はこっちが提供する側になれたらなと思っています」
沖縄の子どもたちはここでもともと同じ文化圏にある与論を身近に感じ、与論の子どもたちにとっては、大人数での合同演奏を体験したり、高校生、大学生の音楽やパフォーマンスから刺激をもらったりする場です。
そしてそんな姿を何よりも楽しみにしている与論の人々。21回目の音楽交流祭も沢山の拍手に包まれ幕を閉じました。
島の人「みんなが元気でみんな気持ちが一致して頑張ってくださる姿が本当に最高です。ありがとうございます」「沖縄と与論は私も沖縄には行ったり子どもたちがいるのできょうは胸いっぱいでうれしいです」「大学生の応援のマーチングを初めて見てすごくびっくりしました。素晴らしい行事だと思います。ずっと続けてほしいです」
島へ里帰りして参加した増尾さんは…
増尾朝子さん「今まで迎える側だったので自分が島に向かう側となると新鮮な気持ちで参加することができました。(卒業後も)また参加できたらなって思います」
音と互いの気持ちを通わせてきたヨロン・沖縄音楽交流祭。これからも音楽を通して2つの島をつなぎます。