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アメリカ軍が実弾射撃訓練を行っている久米島町の鳥島射爆場を視察した仲井真知事は、早く日本側に島が返還されるよう日米両政府に働きかけることを約束しました。岸本記者です。

岸本記者「久米島の北およそ25キロの海上です。鳥島射爆場が見えてきました。緑は全くなく、まさに裸の島といった印象です」

戦後、アメリカ軍が実弾射撃練習場として使用してきた鳥島射爆場。白い山肌にはアメリカ軍の戦闘機が撃ち込んだ無数の演習弾が突き刺さり、大きな砲弾の残骸もそのまま残されています。

仲井真知事「点々と(山肌に)傷がついているのは、砲弾をぶつけたんでしょうね。想像以上に無残ですね」

平良朝幸久米島町長「(島の周囲5キロで)漁が出来ないのが一番痛い。何とか返還出来る方法を見つけたい」

かつて、海兵隊の戦闘機によって人体への健康被害が懸念される劣化ウラン弾が撃ち込まれた鳥島。しかし、アメリカ軍は日米地位協定によって日本に島を返還する場合にも環境を浄化する義務は一切負いません。

基地を抱える自治体で構成する渉外知事会の会長を務める神奈川県の松沢知事は、地位協定の改正は極めて困難との考えで、そのかわりに環境面の特別協定をアメリカ側と結びたい考えです。

神奈川県・松沢成文知事「現状は日米地位協定を見直す方向に全く動いていない。そうであれば、特別協定という形を取ろうじゃないかと。その方向で行った方が突破口が開ける」

仲井真知事も松沢知事のこの考えには賛成の立場で、今年度中に渉外知事会として再び訪米し、基地内への自治体の立ち入り調査や日本の環境基準を基地にも適用する事などをアメリカ政府に直接求める考えです。

仲井真知事「日米両政府ともにわりあい、冷淡というか、暖簾に腕押しみたいな所がある。もう限界なので、徹底した(基地の)整理縮小を要求していきたい」