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明治以降、庶民に広まった沖縄芝居は今も根強い人気を誇っていますが、その歴史は戦争に翻弄されてきた歴史でもありました。そんな沖縄芝居の歴史が学べる特別企画が5日から糸満市で始まりました。
琉球王国時代、身分の高い一部の人たちの娯楽だった芸能が、姿を変えて一般に広まった沖縄芝居。糸満市の平和記念資料館で始まった特別展「戦世と沖縄芝居」。
沖縄戦の2年前、思想統制が強まった頃の現代劇の脚本に「制限」の文字が…。台本には、当局が書いた取り消し線で読み取れなくなった検閲の跡もあります。
こちらは、まだ沖縄戦が続く1945年7月、捕虜収容所でアメリカ兵が撮影した写真。ウチナー芝居が戦争で傷ついた人々の心を救ったことがうかがえます。当時、メリケン粉の袋を再利用し、ペンキで色を塗った舞台衣装には、戦火をかいくぐった役者たちの魂が今も宿っているかのようです。
会場で当時の役者さんの息子の平良敏さんは「沖縄の人たちは大変な戦火に遭って苦労しましたけど、その中で芸能というものがあって、民心が癒された。芸能を見て涙したわけです。こういうことがない世界で芸能が発展してほしい」と話していました。