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ここからは、護岸着工から5カ月がたった辺野古についてお伝えします。まずは27日の動きです。沖縄防衛局は、辺野古の新基地建設に使用する石材などを、海から運びこむことを検討していると明らかにしました。

27日、防衛省で開かれた環境監視委員会で明らかにされたもので、4月に着工された護岸に台船を接岸させ、護岸の上でダンプトラックに移し替えて運ぶ計画で、「効率化を図るため」としています。

記者解説 辺野古着工から5か月

国道に面したキャンプシュワブのゲートからの搬入を減らし、反対運動による工事の遅れを避ける狙いがあるものとみられます。長年座り込みで工事中止を訴えているヘリ基地反対協の安次富浩さんは「工事が遅れている国の焦りの表れだ」と話していました。

さてここからは久田記者とお伝えします。今後の工事はどうなっていくでしょうか。

久田記者「はい、台船にはダンプトラック190台分の石材を積むというのですが、港で船に積み、護岸の上でまたダンプに積み替えるため、逆に工程は増えています。実際に工事が加速するかは未知数です」

記者解説 辺野古着工から5か月

護岸工事着手からの5カ月間を振り返ります。

護岸工事は”節目”を演出する「儀式」のような雰囲気が漂うなか始まった護岸工事。原状回復が困難になることを印象付けたい政府の狙いも感じ取れた着工の日から5か月。

しかし、すべてが当初の計画通りに進んでいるわけではないようです。

久田記者「石材を詰めた袋を一度水面に浸して洗浄するような動きを見せています」

5月。石材を海で洗う施工ミスが確認されたこのとき、工事が進められていた護岸は1か所。20mから30mほど延びた護岸の工事は計画通りに進んでいるように見えました。

記者解説 辺野古着工から5か月

久田記者「およそ1か月前に撮影した時と比べ、護岸の長さはおよそ数十mは延びているようにみえます」

6月に入ると、北側の護岸はほぼ現在の長さに。計画では、この護岸の本来の長さは300mあまり。

しかし8月には、およそ100mほどの場所で工事は止まりました。

この先に移植が必要なサンゴがあるため、とも言われています。そして9月26日。

記者解説 辺野古着工から5か月

久田記者「この辺りは急激に地形が落ちくぼんで、深くなっているとみられている場所です。この場所で海底の調査と思われる作業が行われています」

調査船が確認されたのは、滑走路の北東の端にあたる、水深の深い地点。

この周辺の水深は60mを超える場所もあるほど急激に深くなっていて深さに対応した巨大なケーソンを海底に設置する予定です。

しかし沖縄防衛局は、ケーソンの仮置き場の造成を中止。工法に大きな変更がある可能性も浮上しています。一方で、進められている工事もあります。

記者解説 辺野古着工から5か月

久田記者「遠目には変化が分かりにくいんですが、近づいてみますと、2か所さらに工事が追加されているのが分かります」

7月に始まった、仮設道路の工事は、すでに海の上に達していて、今後、2番目、3番目の護岸着工へとつながります。さらに。

久田記者「これまでに見られなかった作業が始まっています。護岸を覆う、被覆ブロックを作っているとみられる作業が行われています」

今は石が積まれているだけの護岸をブロックで覆えば、仮設の護岸は完成形に近づきますが、数千個のブロックの制作には時間がかかるとみられます。

撤去可能な仮設の構造物しかない今なら、十分後戻りできると言えそうです。

進められる工事から進めておきたいというわけですね。

記者解説 辺野古着工から5か月

久田記者「はい、今ある護岸はすべて「仮設」の状態で、取り返しのつかない工事には至っていません。またきょうの環境監視委員会では、辺野古南側に、絶滅のおそれがある海洋生物レッドリストに掲載されている「オキナワハマサンゴ」が生息していることが確認されました。沖縄防衛局は、移植の基準に満たないものであっても「できる限り」移植するように努めるとしています」 

ただ、ここで翁長知事の権限が関わってきます。

県の漁業調整規則では、知事の許可なくサンゴの移植をしてはならないことになっているんです。貴重な生き物たちが生息する海だと改めて証明されたわけで、翁長知事がこの規則に基づいて厳しく審査するものとみられます。