中村守「沖縄のことを勉強中の僕、中村守が県内各地の様々な場所を散歩する『まも散歩』。1回目は多くの観光客で賑わうここ『国際通り』ではなく、この通りから一本中に入った細い路地を散歩します。どんな発見があるんでしょうか?行ってきます」
始まりました、まも散歩。きょう、国際通りの〝裏通り〟を案内していただくのは古塚さん!なんと私と同じ、うちなーむくなんです!案内された場所は、牧志公園沖縄角力が毎年開催さるれる場所としてしられていますが、戦前には闘牛も行われていたというんです。
中村守「相撲と闘牛がここで行われていたんですか!?」
古塚さん「今もここの真ん中あたりですね、ちょっと砂が残ってますけども、相撲大会あるんですよ」
中村守「こんな観光客がたくさん行き交っているような公園で闘牛や相撲、今でも相撲が楽しめるという」
古塚さん「闘牛はさすがに狭くなってしまったので出来なくなっていますけど相撲の方はそういう伝統を受け継いでいます」
公園の奥へ進んでいくと見えてくるのが牧志ウガン。ウガンの瓦には『マ』の周りに4つの『キ』がある隠れマキシの文字もあるんですよ!探してみて!
さて、ここからは歴史のお勉強。古塚さんによると、牧志の集落は1666年に作られたもので、ここは昔、海のすぐそば、入り江だったんです。
1700年代の古い地図を見てみると牧志ウガンは確かに海のそば。戦前までは薪を積んだ船が入港し、焼き物の町、壺屋まで運ぶ、シルクロードならぬ、『やちむんロード』だったそうです。
古塚さん「海との関係で拝所が出来たと思うんですね。ですからここはニライカナイ、海の彼方にある理想郷を拝んでいたんだろうなという風に思います」
中村守「海があったなんてことが今は全く感じられないこの場所でその海を祀るための神様が今もここにあるっていうのはロマンを感じますよね」
さて、牧志ウガンをあとにし散歩を続けていくと小道の脇に、とても興味深いものを見つけましたよ~
古塚さん「今こうやって、何の変哲もない土管が置いてあるっていう風に見えるんですけど、ここが牧志の『東ヌカー』です」
中村守「アガリヌカー?」
古塚さん「東側にあるのでアガリヌカーという風に言っています」
中村守「井戸?なんですか?」
古塚さん「そうですね。普通集落にはですね、井戸っていうと方言でカーって言うんですけど、方言で言うと『村ガー』って言います」
中村守「こういう表面とか触るとボロボロ崩れていくような、相当古いものですよね?」
古塚さん「これは後にコンクリートで整備したものなんですけど、ちょっと外してみましょうか?」
中村守「いいんですか?えっえっ?わー」
古塚さん「ご覧ください」
中村守「えっ!水がある」
こちらの井戸、『アガリヌカー』は地域でも珍しい水が現在も湧き出ている貴重な井戸なんです。中を見ると、綺麗に石積みがされているのもポイントなんだそう。
中村守「へぇ~。水があったのにはびっくりしました。枯れているものかと」
古塚さん「それと石積がきれいなんですよ。これはハッキリ言ってお金かかってます。堀井戸一本掘るのに昔は家が一軒建つくらいの費用がかかったと言われています。(この井戸は)今風に言えば、5階建てのマンションが建つくらいの費用かもしれません」
中村守「相当な金額ですね」
井戸の歴史を垣間見たところで、今回はここまで!次回の後編ではさらに進んで、石垣の秘密や、神様が混在する牧志始まりの地へ向かいます!