シリーズでお伝えしている「海外市場に挑む」。海外展開やインバウンドの強化を図ろうとする県内企業の挑戦を取り上げていますが、きょうは韓国編です。
グローバルな人材を育てようと韓国のホテルに派遣された新人女性の物語。初めての韓国。見ず知らずの土地で奮闘する彼女たちの姿に密着しました。
沖縄市にあるグランメールホテル。働いているスタッフは…フィリピンの方をはじめ中国、台湾、ネパールとかなりワールドワイド。世界各国から訪れるお客様に対応するための戦略の一つです。
そんなホテルが今、力を入れているのが「グローバルな人材の育成」。その一貫で今年に入り、沖縄県の派遣事業を活用して「韓国のホテル」へ研修が決まりました。韓国に研修に行くのは入社1年目。新人の2人です。
マーケティング部所属の比嘉里枝さんとドアスタッフの仲宗根彩香さんです。
比嘉さん「グローバルな人材になれるように現地でたくさん吸収していきたい」
仲宗根さん「韓国のお客様がすごく大きな割合を占めているので、韓国人の方が求めるサービスをあちらで身を以て勉強していきたいなと思います」
今回、彼女たちが派遣されたのは韓国の東海岸に位置する江凌(カンヌン)。来年の冬季五輪が開催される「平昌(ピョンチャン)」の隣町です。
この時期、韓国の平均最低気温はマイナス5度以下。沖縄とはずいぶん気候が違います。
「今、見えているのが私たちが研修しているシーマークホテルです」
ビーチが広がるエリアにある5つ星ホテル「シーマーク」です。最上階にあるスイートルームは全面ガラス張りになっていて、絶景のオーシャンビューが楽しめる開放的な空間を演出しています。ちなみに…1泊何と130万円。
そして屋上には温水プールが。海の景色とプールが一体となった「インフィニティー」スタイルになっています。
そんなホテルはどのようにお客さんを集客しているのか?マーケティングの研修を行っている比嘉さんです。
比嘉さん「今週は平昌オリンピックのタスクフォーチームというところに配属されていて、主にオリンピックのリサーチをしています」
そんな比嘉さんのもとにこの日、急なプレゼンの話が。リサーチした結果を同じ部署のスタッフと共有しなければいけません。
比嘉さん「練習も何もしていない。(Q予想していた?)してないです。これ調べてこれを英訳してまだ全然準備段階です。ヤバい…」
果たして、うまく発表できるのでしょうか。
比嘉さん「英語でプレゼン全ての会場は13分以内のところに位置しています。6つの会場は平昌(ピョンチャン)にあり、5つは江凌(カンヌン)。もう1つは鐘城(ジョンソン)です。参加国は95か国。参加者は5万人近くに上ります」
社会人歴わずか8か月。堂々たるプレゼンです。
比嘉さんの上司「素晴らしかったです。平昌オリンピックについてたくさんのことを知ることができる素晴らしいプレゼンだった。オリンピックに行ってみたいと思いましたね」
比嘉さん「(今からどこへ?)従業員食堂です」
こちらがホテルの社員食堂。料理はもちろん韓国料理です。この日はプルコギにキムチ、そしてチゲスープです。
比嘉さん「美味しい!辛いんですが日本人好みです」
彼女たちの勤務時間は午前9時から午後6時まで。仕事終わりを待ち、彼女たちが生活する部屋を案内してもらいました。
現在、こちらの部屋で2人暮らしています。辛い物が多い韓国。日本の味が恋しくなるそうです。
韓国で生活を始めて3週間。順調に仕事が進んでいるように見えて、意外とそうでもないようです。
仲宗根さん「本当にさ、英語もできないし、韓国語もできないから…。何もできない。何にもわからないね」
実は仲宗根さん、コミュニケーションに関して少し苦戦しているそうなんです。
仲宗根さん「ちょっと聞き取れなかったです」
しかしこれも経験です。初めての海外研修。悪戦苦闘しながらも大きな刺激を受けた二人。今後の成長が楽しみです。
今後、2人が所属するグランメールホテルでは、韓国のホテルとの間で積極的に人材交流することで、グローバルな人材育成により力を入れていくということです。