伊波「楽園の海案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです。きょうは「糸満のサンゴ礁」です」
長田「今回は本島南部にある糸満の海に潜って来ました。今日は、たっぷりとサンゴを見て頂きたいと思います」
伊波「サンゴ礁はどうなっているのか早速、見て行きましょう」
長田「昨年は、沖縄各地で水温上昇によるサンゴの白化現象が問題となりましたが、糸満のサンゴたちはどうだったのか、気になったので、見に行ってきました。港から10分、ボートから水面に目をやると・・・」
伊波「規則正しく整列したサンゴですか?」
長田「潜って確認しましょう」
伊波「見慣れない光景が広がっていますね」
長田「実は、那覇空港の拡張工事で行き場を失いかけたサンゴたちを、この糸満の海に移植して来たんです」
伊波「サンゴのお引っ越しですね」
長田「このように中層に浮かせた状態で、固定してます。2014年10月に移植して2年と4ヶ月経ちましたが1.5倍~2倍弱まで大きくなったそうです」
伊波「大きく成長してますねー。さて、心配されていたサンゴの白化は?」
長田「ざっと見渡しても、死滅してしまったサンゴは1割以下でしょうか?」
伊波「サンゴが元気そうでほっとしました」
長田「ハリセンボンも、敵から守ってくれそうなサンゴがいっぱいあって、いいお家見つけましたね~」
伊波「それにしても、立派なサンゴ」
長田「水深浅いので、水温も30℃を超えていた日が続いたと思われます。潮の流れ具合やプランクトンなど、サンゴにとって住み易い環境がこの糸満の海にはあるんでしょうね」
伊波「こうなると、自然のサンゴ礁が気になりますよね」
長田「水深2mに群生するサンゴ礁に潜って来ました。こちらのサンゴ達も、元気いっぱい」
伊波「小魚も多く、まるで楽園のようですね」
長田「ここのサンゴたちも、水温の上昇に負けず頑張ってくれたようです」
伊波「こちらも無事でよかったです」
長田「移植したサンゴと同様、1割弱のサンゴが死んでしましたが、大半が生き生きとしてます」
伊波「あ、テーブルサンゴが3つ綺麗に並んでます」
長田「キレイに並んでいるように見えるんですが、実は接している所は、ケンカし合ってるんですよ」
伊波「そういう風には見えませんね。サンゴの密度がすごく濃いですね」
長田「パッと見、石に見えるテーブルサンゴも、アップで見ると・・・・」
伊波「触手みたいなものが伸びてますね」
長田「ポリプから触手を伸ばして、プランクトンを食べようと頑張ってます」
伊波「サンゴは生き物っていうのが、はっきりと分かりますね」
長田「こんな感じで、テーブルサンゴの上にエダサンゴが乗っかってたりする光景、私、大好きなんです」
伊波「なぜこのようにサンゴの上にサンゴが乗っちゃうんでしょうか?」
長田「密集しているので、新たに産まれたサンゴは、岩に着定出来ません。で、サンゴの上に乗っかって生活を始めるんですね」
伊波「こちらは、テーブルサンゴの間から、エダサンゴ突き抜けてますよ」
長田「このように重なり合うサンゴがある群落は、今では沖縄でも数少なくなっているので、貴重です。私が初めて沖縄の海を潜った26年前の光景は、まさしくこんな感じだったんです」
伊波「去年、サンゴの白化が心配されていて、糸満の海は大丈夫かなー?と思っていたんですが、キレイなサンゴでしたね」
長田「まだまだダイバーの皆さんには、知名度の低い糸満の海ですがサンゴ礁もこれだけ綺麗ですし、これからが楽しみな海ですね」