謝花「ここからは取材を担当している久田記者に聞きます。久田さん、最高裁が判決を20日に出すと決めたということですが、どういう意味があるんでしょうか」
久田「最高裁の場合弁論を開く場合は、2審判決が変わる可能性があるといわれていますが今回は弁論が開かれませんので、恐らく国勝訴、県側敗訴の判決が確定するのではと見られています。行政法が専門の、成蹊大学武田真一郎教授に聞きました」
武田教授「国と自治体が対立した時こそ地方自治法の考え方が重要なんですよね。今の地方自治法は国と地方は対等だということを大前提にしていますから、国策だからと言って地元の理解を得ずに進めて良いということにはならないはずですから、そのことはこれからも変わりがないと思います。本当に辺野古以外に方法はないのか、本当に海兵隊が沖縄にいることが必要なのかということについては、裁判所が辺野古が唯一というところまで踏み込むのが本当に裁判所の権限と言えるかどうかということも、かなり疑問に思われていたわけですよね。本来原判決は翁長知事のした承認取り消しの理由が合理的かどうかを審理すればよかったわけですから、原判決が審理の対象を誤ったんじゃないかということも最高裁にはキチンと審理してほしかったですね。国と地方は対等だと位置づけた今の地方自治法のもとで、最初のケースですので、しっかりした判断を示してほしかったんですけれども、どうもそうはならなかったということですよね」と話していました。
謝花「2審判決というのは国側の主張を全面的に認めた県側にとっては厳しいものでしたよね」
久田「仲井眞前知事の埋め立て承認は違法ではない。海兵隊を海外に移転させることはできないので、代替施設は辺野古以外にはないとまで国の主張を全面的に認めていました。最高裁はこうした判断を維持することになるとみられますので、県にとっては非常に厳しい判決が想定されます国は埋め立て工事をすぐにも再開するのではとみられますが「あらゆる手段で阻止する」と公言している翁長知事が、どのような対抗策を講じるのかに注目が集まります」