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児童虐待被害者が講演

全国的に大きな問題となっている児童虐待。2015年度、全国の児童相談所が対応した相談件数は10万3000件を越え、過去最多となっています。

そんな中、うるま市の高校で、虐待を受けて育った女性が、生徒たちに体験を語りました。

島田妙子さん「風呂水につけられて、私はもう『あかん。これで死ぬ』って言う危機一髪の瞬間がありました」

高校生の前で語ったのは兵庫県出身の島田妙子さん。小学生の頃から、実の父と義理の母による虐待を受けて育ちました。

学校の先生や警察に「親に殺されてしまう」「助けて」と言いたい。でも、それを言ったら、父が逮捕されてしまう。虐待を受けた子どもの複雑な苦しみを押し殺して生きてきたといいます。

高校生たちも言葉を失い、話に聞き入りました。その島田さんを救ったのは、中学2年生の時の担任でした。

児童虐待被害者が講演

島田妙子さん「私達(兄妹は)がりがりの栄養失調で、あざだらけだったんです。先生は、あざを見て、それどうしたんやって。でも私は親からされているって言えないから、これはお兄ちゃんがっていいました。そしたら、先生がホンマか?あんたの兄ちゃんもあざあったでって。(担任の先生は)私を体を張って助けてくれました」

被害を受けた一人として全国的に増え続ける児童虐待を止めたいという思いから、全国各地で体験を語る活動をする中で、島田さんは沖縄の社会にある懸念を抱いていました。

島田さん「うわべは親戚づきあいも兄妹づきあいもしているんだけど、それが本音で付き合えているかというとそうでもなくって、本当は孤独っていう方がすごく多いんだなということを感じたんですね」

聞き入る高校生に向けて島田さんは、被害を受けた場合は、すぐに友達や先生に助けを求めてほしい、いつでも頼れる友達を見つけてほしいと呼び掛けました。

児童虐待被害者が講演

島田妙子さん「親のような友だから、あんたあかん、そんなことしていたらダメだよと言ってくれる人が親友です。その人たちをひとり、しっかりと人数言えるようにしていこう」

沖縄での講演は2015年に次いで2回目。児童虐待は親が追い込まれている証拠だとして、地域での助けが必要だと呼びかけていました。