美しい庭を開放するオープンガーデンでまちおこしをしようという取り組みは各地で注目されています。そんな中、きょうは北中城村の大城地区でおこなわれた「すーじぐゎー美術館」を紹介します。そこには地域を愛する人たちの力がありました。
世界遺産の「中城城跡」のお膝下にあって、国の重要文化財の「中村家住宅」がたたずむ緑ゆたかな集落。北中城村大城地区。その美しさは沖縄・ふるさと百選にも選ばれるほどです。
伊波「花に恵まれた大城集落全体を美術館に見立てた、あるおもしろいイベントが行われています」
訪れた人「真似たいんですが、まだまだですね」「普段見ない花が見れたので良かったです」
毎年この時期に開催されているのは「すーじぐゎー美術館」。期間中は個人の庭を開放してオープンガーデンを実施。集落全体が個性豊かな「美術館」へと変わります。
こちらは砂川清文さんのお庭。テーマは『花咲じいさんと孫の庭』。ひ孫のあやねちゃんも訪れた人たちをお・も・て・な・し♪
こちらのお庭は手作りのシーサーが笑顔で迎えてくれる『シーサーのある庭』。
そしてこちらは『写真の家』と名付けられた仲村政啓さんのご自宅。ガレージには仲村さんの趣味の写真が飾られていました。
今年で14回目を数えるイベントですが、その出発点は、地域を愛する思いからでした。
『写真の家』仲村政啓さん「自然に足を運んで足を止めて頂く集落にしたいと言うのと、集落自体がこういう環境を誰が作ったんではなく、自然発生的に広がっていくのが理想じゃないかという思いで自分は関わっております」
「すーじぐゎー美術館」、実はその発起人は地域のお年寄りたち。その名も「花咲爺会」。
新垣正良さん「花咲爺会はいつものように花の手入れをして、中休みをしている時に色んな情報交換、意見がでます。その中でできたのが今回の『すーじぐゎー美術館』になっています」
おじい達の自慢の庭を見た人たちは・・・
訪れた人「おじいさん達が親切で、蘭の植え方とか教えてもらって、読谷からなんですが来年も来たいと思います」「やっぱりゆっくり歩かないとわからない所もたくさんあったので、来てみて良かったです」
夕方になると公民館の庭ではミニコンサートが開催されました。演奏はもちろん地域の住民たち。平均年齢70代のおじい達の合言葉は「右手にスコップ、左手にビール」
新垣正良さん「ボランティアで結構ですから何か終わった後、あった方がいいだろうと言うことで、色んな所から資金を集めてはビール代にして終わった後の楽しみしている。それがてぃまぐゎー(手間賃)ですね」
地域をつなぐ「すーじぐゎー美術館」。住民みんなで作り上げたイベントの打ち上げでは、花咲爺会も大きな笑顔の花を咲かせていました。