反対の声が根強くある中、東村高江で進むアメリカ軍のヘリパッド建設。
政府は12月にも北部訓練場の返還を予定しているとされ、せき立てるように工事を推し進めています。そんな中、11月14日、沖縄防衛局は約2カ月ぶりに工事資材を民間ヘリで搬入しました。
14日午前9時半すぎから高江上空に民間のヘリが現れ、ワイヤーで資材を吊り下げ、現場周辺を何度も往復する様子が確認されました。
また、上空からは伐採された木が網をかけられ集められていたほか、沖縄防衛局が建設現場周辺にかなり深い穴を掘ったり、作業員らが芝を敷き詰める準備をするなど作業が急ピッチで進められているのが確認されました。
沖縄防衛局は県に対し、民間ヘリの使用を「歩道整備に伴うもの」とし期間は1週間程度と説明しています。こうした工事が着々と進む状況に住民からは戸惑いの声が聞かれました。
高江の住民は「『高江の』ヘリパッドっていう問題ではないじゃないですか、結局。全体的によくなっていけばいいなとは思いますけど。今の高江が残ってくれたらなっていうことだけです」と話しました。
政府は新たに4つのヘリパッドを建設し、アメリカ軍に提供するかわりに、北部訓練場の約半分の返還を年内に行う方針を固めていますが反対の声に立ち止まることなく進められる工事に政府と住民との緊張はさらに高まりそうです。
Qここからは記者解説です。野島さん、政府は作業を急いでいるように感じますが?
野島「そうですね。政府としては抗議して座り込む住民たちとの衝突を避け、工事を急ピッチで進めたいという意図が伺えます。その背景にあるのが、北部訓練場の過半にあたる、およそ4000ヘクタールの返還です。
野島「これが実現すれば沖縄のおよそ74パーセントと言うアメリカ軍施設の負担がおよそ4パーセント減ると見積もられているんです。安倍総理は「復帰後最大規模の返還」だと強調していて来月20日にも返還式典を開く予定です。つまり負担軽減アピールのためにも何が何でも工事を進めたいのだとみられます。」
Q上空からは気になる作業風景が確認できたようですが?
野島「こちらは北部訓練場内の「宇嘉川の河口」です。ここに資材をおろす作業が確認されました。」
Q宇嘉川の河口は、SACO合意でアメリカ軍が20年前に手に入れた提供水域ですよね。
野島「そうです。こちらをご覧ください。これは99年ごろ見つかったアメリカ軍の資料です。当時、日本政府はオスプレイの使用をひた隠しにしていましたが、結局この後、沖縄に配備されました。この先もこうした訓練が行われることが危惧されているんです。こうした海に面した山間の訓練と言うのは朝鮮半島や中国での有事に備えたものだという見方もあります。しかし、訓練が激しくなれば高江集落の市民生活への影響が心配されます。」