さて、喜如嘉の芭蕉布や塩谷湾のウンガミ(海神祭)といえば大宜味村が誇る「国の重要無形文化財」として有名ですよね。きょう、大宜味村に新たな国の重要文化財が加わることになりました。
久田記者「国の重要文化財に指定された、こちらの旧大宜味村役場。91年前に完成した建物ですが、実は、まだ『現役』なんです」
旧役場が建てられたのは、県内に鉄筋コンクリートの技術が導入されてまだ間もなかった1925年。現存する県内最古の鉄筋コンクリート建築です。
川の砂をすくい、村の子どもたちが拾い集めた小石も原料にして、すべてが手づくりで作られたという建物は、何度も補修を重ねて維持されてきました。
男性村職員「昭和47年までは役場としての機能があったんですけども、そのあとは教育委員会が使ったり」
女性村職員「自分の家みたいに親しみを持って働かせてもらってるんですけど、価値があるということで認められて国の文化財になるということは本当にすごいところで仕事させてもらってるんだなというのはいつも感じております」
西洋風の外観は、絵葉書を参考に試行錯誤しながら建てられたというエピソードも残ります。
そして、当時県内でも腕利きで評判だった「うじみぜーく」、大宜味の大工たちの確かな仕事が、現在でも使用できる耐久性をもたらしました。
男性職員「大宜味大工の技術力だったりとか、ちゃんとした建物、頑丈な建物を建てようという気持ちが伝わってくるというか」
柱には、人間でいう米寿を迎えた4年前、村の人たちが詠んだお祝いの琉歌が貼られています。
久田記者「村民の方にとってこの建物はどういう存在ですか?」「大正時代からずっと残っているということで、村民からしたら村のシンボルということになるんじゃないでしょうか」
村民に愛されてきた、大宜味村役場旧庁舎。5年後のカジマヤーも盛大に祝うことができそうです。