きょうは九州、沖縄、山口の夏のブロック企画『応援します!』からお伝えします。沖縄を代表するお酒「泡盛」ですが、ここ数年泡盛離れが進み、危機的状況に陥っています。その危機を救おうと今回女子大学生が立ち上がりました。
「かんぱーい!」
沖縄のあつーい夏。ビーチや飲食店でお酒を楽しむ賑やかな光景。ですが、その光景に、ここ数年異変が起きています。
社会人女性「(Q今どんなお酒のんでいますか?)サーバーからビールを飲みまーす」
女子大学生「(Qいつもはどんなお酒を飲みます?)梅酒」
男子大学生「(Q泡盛に対するイメージは?)年配の方が飲むイメージがあります」
沖縄を代表するお酒「泡盛」ですが、近年泡盛の出荷量は右肩下がり。特に若者の泡盛離れが顕著です。
沖縄国際大学上園海さん「まずは入り口として飲みやすいお酒をつくって、それを私たちがおいしいんだよっていうのを発信しながら広めていくのが大事なんじゃないかな」
なんとか若者にも泡盛に親しみを持ってほしい。そこで立ち上がったのは県内の大学でマーケティングなどを学ぶ女子大学生。111年の歴史を持つ酒造メーカーの呼び掛けで協力することになりました。
崎山酒造棚原健さん「南国のイメージもありますし、綺麗な赤を連想させるものもあるしそれとたとえば女性が飲みやすいリキュールとかイメージがマッチするんじゃないかな」
沖縄国際大学崎浜玲奈さん「ハイビスカスだったらおしゃれっぽい感じがするし、色がきれいだから」
沖縄国際大学上園海さん「お花なので、あくまでも物がない状態でこれがハイビスカスだよって定義していく事になると思うので、そのあたりが難しそうだなと思います」
会議で出たテーマはハイビスカスを使った泡盛。メンバーはこの構想を元に、早速市場調査にでました。
女子大学生「(Qどういう泡盛だったら飲みたいと思いますか?)やっぱり飲みやすくて甘い方がいい」
社会人男性「あたりまえと思わないシークヮーサーとかハイビスカスとか当たり前のことをやるなら、誰でもできる」
ハイビスカスは、既にハーブティーなどで流通していることもあり厳しい意見も。
沖縄国際大学上園海さん「ハイビスカスがありきたりとは私は思っていない。ハイビスカスの味の定義とかを私たちが出していって。このお酒をありきたりにしていきたいなって思いました。」
沖縄国際大学與島優貴さん「すごい共感」
女子大学生ならではの発想でハイビスカスをテーマに商品開発をしていくことになりました。この日はある戦略を元に、売り場へ。ここでは県内46酒造所の泡盛など1200種類のお酒を扱っています。ここで発売イベントを開き、商品を置いてもらおうと考えたのです。
沖縄国際大学上園海さん「居酒屋でも飲めるお酒。やっぱり男女混ざっている場だと女性が選ぶお酒の方が男性がいいよって言いやすいと思っていて、そのまま男性も飲めるようになっていくのでは。」
プレゼンでは商品への思い、SNSなど若者のネットワークを最大限に生かした販売戦略など熱い思いを伝えました。
イオン琉球食品商品部渡嘉敷光憲部長「料理料理とも十分に合います?」
沖縄国際大学上園海さん「当初はもっと甘くてこれは2杯目飲めないということになって、においや度数や甘さを微調整をしていただいて」
沖縄国際大学上原奈季さん「居酒屋でご飯を食べるときに、から揚げと一緒にカクテルとかも一緒に飲むのが(若者の)現状なんですよ」
『甘いお酒は食事に合わない』というイメージを崩し、食事中でも楽しめるお酒だということをPRしました。
イオン琉球食品商品部渡嘉敷光憲部長インタ「飲むシーンも変わってきている。まずはリキュールの泡盛から飲んでもらって、あとは本来の泡盛のおいしさというところまで浸透していけば今ずっと低迷している泡盛の新しい消費者、新しい年代の方に受け入れられれば、まだまだ復活するチャンスはあると思います」
多くの人の意見を集約し、グレープフルーツの果汁を使い、見た目はかわいらしく、味はさっぱりとしたリキュールが完成しました。
崎山酒造棚原健さん「沖縄といえばこういった青い海、青い空、赤い花々があって、南国のイメージがありますけどそれを具現化したような商品ってことで新たな泡盛の一歩というか、新しい扉が開けるようなそういった商品になればいいなと思っています」
それぞれの得意分野を生かし、柔軟な発想や体当たりの姿勢で進み続けてきた女子大学生たち。泡盛復活に一役買えるのか。商品の発売は10月です。