さて、観光立県といわれ久しい沖縄で最近、観光客に向けたあるものの需要が高まっているそうです。キーワードは、「歳を重ねても旅を楽しみたい」さてそのあるものとは一体何でしょうか?新田記者の報告です。
沖縄の空の玄関口那覇空港。先月の観光客数が初の80万人を超えるなど、好調を維持しています。
新田記者「大勢の観光客が訪れる那覇空港。その一角にはこんな場所があったんです!!」
ここは障害者や高齢者の方にも沖縄の旅を存分に楽しんでもらおうと、NPO法人バリアフリーネットワーク会議が運営する観光案内所。
県内への観光客の増加に伴い、今、あるもののレンタルが増えているというのですが・・・それが車いすです。
これはバリアフリーネットワーク会議がまとめたここ数年の車いす貸出件数の推移。案内所設立当時の2007年度から去年の2015年度までの8年間で、およそ14倍も貸出件数が増加しています。
なぜ、車いすのレンタルが増えているのか・・・それは、高齢化社会が背景にあったのです。
NPOバリアフリーネットワーク会議の親川代表「日本はご存じのとおり、超高齢化社会に入ってきているわけですから、その方々の利活用、アジア地区も高齢者社会に向かってきている。このような方々が旅をするとなると自分の体の環境とかを考えると、やはり車いすを現地で借りる人が増えてきている」
近頃特に目をひくのが外国人観光客の利用者で、きょうも台湾からの観光客が案内所を訪れ、車いすを借りる姿が見られました。こうした外国人観光客にも対応しようと、身体が大きめな外国人に合った広々とした車イスも用意しました。
ただ、こうした需要の増加がある一方で、まだまだ沖縄の受け入れ環境には課題も残されていると親川さんは指摘します。
NPOバリアフリーネットワーク会議の親川代表「ホテルの中では車いすは借りられるけれど、ホテルから持ち出しができないとか、そこから借りて空港で返したいというときになかなか上手くいかない。というのがあるので、そこは今後沖縄の課題として、どこで借りても空港で返せるとか、空港で借りたらホテルで使っていいよというような(環境整備が必要)」
レンタル車いすの需要増加、今後、さらなる高齢化社会が待っているだけに島全体でのバリアフリー観光の整備が急がれます。
県内での「バリアフリー観光」はホテル側の意識の改革などもあり進んでいるところもありますが、車いすでも、どこでも、楽しく観光ができる島になっているかと問われると、まだまだ努力が必要ですね。