今年4月に行われた、韓国の総選挙。与野党が逆転した原因となったのが、大幅に伸びた若者の投票率だと言われています。今回の参議院選挙で新たに選挙権を得る18歳、19歳は、全国で240万人、県内では3万3千人いて、その動向が注目されています。
しかし、2013年の参議院選挙では、20代で投票した人は「3人に1人」。さらに若い18歳、19歳はどれだけ投票するのでしょうか。
18歳、19歳に聞きました。
(公約が細かくありますけど見て分かりましたか?)「うーん難しい言葉もいっぱいあるし、あんまり分からないところもあります。」
(投票に行きますか?)「いや、行くかな…わかんない。(バイトが)休みだったら行こうかな(積極的に支持する政党はない?)ないです。」
戸惑う、街の18歳有権者たち。そもそもなぜ、選挙権年齢は18歳以上に引き下げられるのでしょうか。
沖縄国際大学 前泊博盛教授「世界的に言っても日本は選挙権年齢が高すぎる状況にあった」「(働く18歳は)税金は納めるのに投票権はない、アンフェアじゃないかと」
専門家は、18歳選挙権は国際標準に追いついたに過ぎないと指摘します。候補者や政党は対応を迫られますが、若者に政策を届けるには、これまでと同じやり方は通用しません。
(新聞じっくり読むことはありますか)高校生「ないです。ヤフーとか、ネットのニュースのサイトで見ることが多いですね。新聞は自分は見ないですねあんまり。」
幼い頃からITが身近にあった世代。様々な情報は、スマートフォンなどを通じて、入手します。候補者らも、こうした新世代に対応しようと必死です。
沖縄選挙区の候補者をみると、島尻さんが、Facebookやtwitterに頻繁に投稿。親近感を打ち出す写真などが多くみられます。
一方の伊波さん。こちらも、動画投稿サイトやFacebook、twitterで選挙運動のスケジュールなどをこまめに発信。金城さんもツイッターでの情報発信を欠かしません。
高校生「けっこうそれで(政治家を)身近に感じたりね。自分たちがいつも見ているSNSだから、日常生活に入ってくる」
ただ、どれだけITを駆使しても、政治に関心がない人に政策を伝えるのは難しいのも事実。ネット以外でも、候補者本人が高校を訪ねて演説するなど、若者の投票を促す取り組みも見られています。
演説を聞いた高校生「高齢者とかに向けての話が多かったので、その18歳、新しく選挙権を得た人たちへの話ももうちょっと聞きたかったですね」
高校生「大学の無償化とか、そういうのにも力を入れてもらえると、住みやすい、将来のためになると思います」
高校生「(親に)「自分は行かないよ、どうせ1票だからあまり変わらないよ」って言われたんで… 関心がないっていうのはちょっと悲しかったですね」
様々な取り組みで、政治への関心を高めつつある若者たち。
前泊教授「情報そのものを丁寧にキャッチする力。そして自分なりにそれを捉えなおす力。そして新しい問題点を見つける力」「そしてその政治家が示している解決力は、本当に実際に変える力があるのかを見抜く。」「こういったものが子どものころから、そして大人になってもしっかりと身に着けていられるかどうかが課題だと思いますね」
高齢化が進む社会で、少数派になりがちな若者の声。選挙は、これを政治に反映させる、貴重な機会です。TVの前のあなたも、是非、1票を投じて下さい。