シリーズ「美ら島の提案」きょうはQABが実施している美ら島募金への感謝を込めて座間味ダイビング協会が主催したサンゴ観察ツアーについてお伝えします。ダイバーの皆さんが活動の成果を見てもらおうと企画されたこのイベント。参加した人たちは何を感じたのでしょうか。また今年、海にはある異変が起こっていました。中村記者です。
快晴のもとで行われた、座間味サンゴ観察ツアーはことしで6回目です。県内各地から31人が集まりました。
仲村座間味村長「皆さんが一時期非常に、危惧しておられたっていうんでしょうか、オニヒトデがもう、見当たらない、いなくなりました。皆さんの気持ちが、そうさせているものだと本当に感謝に耐えません」
2002年ごろから沖縄近海で大量に発生したオニヒトデとくに慶良間周辺のサンゴ被害は深刻でした。座間味のダイビング協会のメンバーは、ボランティアの人海戦術でオニヒトデの捕獲にあたります。ピークには、ダイビング客を案内した後、毎日捕獲作業の船を出す日が続きました。その努力の成果が実り、美しい海を守り続けてきました。
男性「やっぱすごいなと思いますよね。サンゴのために一所懸命やっているんですから。我々は少しでも、協力できればと思いますけどね。」
QABでは2003年1月「美ら島募金」をはじめました。電話をかけて、およそ100円を寄付してもらうというシステムで集まった募金は、座間味でオニヒトデを駆除するダイバーの船の燃料代やボンベの管理費用、サンゴの調査活動に当てられています。サンゴ観察ツアーは、一年の成果を見てもらおうとその年から年1回開かれています。
一番何が見たいですか? 少年「きれいなサンゴを見たです。」女性「サンゴがどれくらいきれいなのかを。」
参加者の皆さん、期待を胸に出発です。高速船でおよそ50分。座間味港に到着しました。
港ではこの観察ツアーを主催する座間味ダイビング協会の又吉英夫(またよしひでお)さんら関係者が出迎えました。説明を受けたあと、参加者は分かれてグラスボートに乗りこみ観察するポイントに向かいました。
ツアー参加者「ああ、すごい!!みんな上向いて。」
ご覧ください!!このきれいなサンゴ礁。(2003年などの海と比較)オニヒトデの食害にあって大きなダメージをうけたサンゴたちが戻ってきました。
又吉さん「場所によってはですね、100%近く生き返っているところもあるんです。」
ツアー参加者「すごいな、すごいきれい、こんな潜りたいね。」
2002年からことしまで、のべ8000人のダイバーが、実におよそ20万匹を捕獲しました。オニヒトデがいなくなったきれいな海。しかし新たな脅威が出現していました。
ガイドの女性「レイシガイというこんなにちっちゃい貝が、ちっちゃなサンゴの隙間に一杯入り込んでサンゴを食べるので、貝の被害がとくに多いですね。」
シロレイシガイダマシは去年からこの海で急激に増え、せっかく回復してきたサンゴに被害を与えていたため、今年だけでおよそ1万4000個を捕獲してきました。
女性ガイド「レイシガイの場合は、ピンセットを使って取らないと、隙間がすごい細いんですよ。指をムリに入れるとサンゴがポキッて(折れる)。」
しかし問題はそれだけではありませんでした。
又吉さん「一番悩みなのが、サンゴの病気なんですね。ホワイトシンドロームは見て分かるんですが、他にも死んでいく珊瑚がいましてそれが一番悩んでいますね。」
座間味のダイバーが恐れる、ホワイトシンドロームや原因不明の病気が確認されています。
今回の観察ツアーに招待された、沖縄高専の山城教授と琉球大学の酒井教授。山城教授は、ことし7月に座間味を訪れたときホワイトシンドロームや骨格異常のサンゴを確認しています。今回は又吉さんから、病気ではないかと示されたポイントのサンゴの現状について説明を受けていました。
山城教授「きょうそれを見せてもらったんですけど、きょう、見たかぎりでは、何だろうという程度ですね。病気ぽいといえば病気ぽいですけど。それはちょっと調べてみないと分からないですね。現場の人の情報も仕入れながら、どうにか座間味の海が回復するようにちょっとでも貢献できたらいいと思っています。」
ダイビング協会では今後病気について監視や勉強を続け、山城教授らと情報を交換しながら対策を考えたいとしています。
又吉さん「心配ごとはたくさんありますけど、これから我々は、やっぱり孫につづけいていかないと、いけないなとサンゴを大切にしていかないなと考えております。」
Q.サンゴを見た感想は 少年「さんごとか魚もたくさんいてきれいだった。」女性「サンゴもね、こんなにいろんな種類があっていうのを初めてちゃんとこう見れたのでとってもよかったと思って、この美しい海をやっぱり、汚しちゃいけないなぁっておもいました。」少年「もっと昔と同じぐらいきれいにして元通りにしていきたいと思う。」
サンゴ保護に向けた取り組みは今後も続けられます。