まっすぐ野球に向かう1人の選手
「めざせ甲子園」です5校目のきょうは、石川高校です。夏に向け活気が増すチームには仲間から「見本」と言わしめるほど野球に対してまっすぐな選手がいました
「元気出していこ〜よぉし!」威勢の良い掛け声。活気みなぎるグラウンド。石川高校の元気の裏には、激しいレギュラー争いがありました。
當山大智主将「前は固定という感じだったんですけど、最近の練習試合ではそれがなくてチーム内で競争はできているかなと思っています」
去年夏からレギュラー8人が残り期待されたチームでしたが、秋春と結果が出ず。メンバーの固定をやめ、レギュラー争いを促したことでチームが活性化。夏に向けチーム力があがっています。
エース級がそろう投手陣も、夏のエース争いの真っただ中。投手・野手の両方でプロから注目されるタイシンガーブランドン大河。MAX146キロの力強いストレートが武器。同じく、MAX140キロを超える知花大義(たいぎ)球速は他の2人に劣るも、投球術にたける春エースナンバーの當山大智、甲乙つけがたい3投手が他のチームにとって脅威となりそうです。
レギュラー争いを通し野球への姿勢が一段と良くなる、チームの中でナインから一目置かれるのが當眞智也です。
タイシンガーブランドン大河選手「入学してきた時は、この人誰かなっていうのはあって初めて見た人だったので」
當眞は1年遅れて高校に入ったため、現3年生より1つ年上。副キャプテンとして、チームの精神的柱となっています。
當山大智主将「みんなの「見本」となっていると思います。」タイシンガーブランドン大河選手「自分も集中しないといけないなと思ってしまうというか、考えさせられるというか」
仲間に見本とまで言わせるほどの當眞ですが、彼自身、野球がなければ今の自分はなかったと話します。
當眞智也選手「高校入る前はもう、全然、前は、今自分がこうしていることも自分自身で考えることもないですし」
2歳から野球を始め、少年野球チームでも活躍した當眞。しかし、中学生になると一変。野球を辞め、周りの事を顧みることもできなくなっていました。
昔の写真を携帯で見ながら「考えも行動も全部幼くて、周りにいる人たちに常にあたっている感じだったと思います」
高校に行くつもりもなかったと話す當眞。その彼の気持ちを変えたのは、両親の言葉でした
當眞智也選手「「野球が見たい、もう1回見たい」とずっと言われていました。自分がどんな時であろうと、親であったり周りであったり支えてくれたり、どんなだろうと言い続けてくれたり、そこまで自分のことを、こんななのに見放さないで、そこで恩返しではないですけど、少しでも姿を見せてあげたいなって」
父・隆さん「エラーしようが、打てなくてもいいんで、もう一生懸命グラウンドに立って野球ができている姿を見るだけで、感無量です。思いきり、悔いのないようにしてくれたらいいかなと思いますね」母・栄子さん「長い夏に(笑)」
當眞智也選手「良い夏にします」
「もう一度、野球をする姿が見たい」その言葉があったから1年遅れてでも高校を受験し野球へと帰ってきた當眞。両親への思いは、野球ができる感謝の思いへと変わっていきました。
熾烈なレギュラー争いを繰り広げながら野球への熱い思いと、支えてくれた人への恩返しの夏が始まります。
當山大智主将「夏は絶対結果残して地域の期待にも応えきれるようにしたいです」
當眞智也選手「まずは大きな目標ではなく、1戦1戦そこから県をとって、甲子園という場所にいきたいと思います」
集合「行くぞ、甲子園!!!」
来週月曜日は美来工科高校です。