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熊本で発生した大地震から間もなく1か月が経ちます。地震が少ない地域だとこれまで言われてきた熊本でしたが、震度7を2回記録するという、他に例のない災害となりました。

震災後、現地を調査した琉球大学の研究者たちは、沖縄でも、大きな地震が起きれば同様の被害が生じる危険性が高いと、警鐘を鳴らしています。

Q+リポート 熊本地震 現地調査から見えたこと01

4月14日と16日に発生した2度の震度7の地震をはじめ、熊本を立て続けに襲った揺れは、大きな土砂災害を引き起こしました。最初の地震から1週間後、琉球大学の島嶼防災研究センターは、熊本に研究者を派遣し、現地の地盤の動きなどを詳しく調査しました。

メンバーの1人、地盤工学が専門の、松原仁准教授。

松原仁准教授「この辺一体にある島尻層群泥岩というのは風化しやすいという特徴があって、なので大きな地すべりが発生する可能性が大、大きいということですね。」

熊本県南阿蘇村で起きた大規模な地滑りは、10年前に沖縄で発生した地滑りと状況が似ていると指摘します。

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南阿蘇村の地すべりは、強い揺れによって、火山灰が堆積した地層が崩落したものですが、中城村の現場は、風化しやすいとされる、島尻泥岩層。「クチャ」として県内では広く知られている地質です。ここに走っていた断層面が境界線となって、崩落しました。

引き金を引いたのが地震か、大雨か、という違いはあるものの、元々風化しやすい地盤という点は同じです。

松原仁准教授「これは降雨の影響で起こったんですけども、地震が起こるとこういう規模のものが中城村、西原ですね、さらに南城市あたりで起きてくるんじゃないかなという風に予想しますね」

沖縄で過去に大地震が起きたことを示す痕跡も身近にありました。続いて訪れたのは、西原町の道路工事現場。

Q+リポート 熊本地震 現地調査から見えたこと03

(Q.斜めの線がこう入って…入っているのが断面で?)

松原仁准教授「これが断層です。これが断層で、地表面に出ていますよね。これがまだ調べられていないんですけども活断層の可能性があるという」

(Q.推測される揺れの大きさが、マグニチュード8.1程度の地震だったのではないかと)

松原仁准教授「そうです、これが10mくらい移動しているので、そこから逆算するとそういう計算だったという」

この断層は、住宅街のすぐ近くにあります。ここの断層の地質も、風化しやすい島尻泥岩層「クチャ」です。

Q+リポート 熊本地震 現地調査から見えたこと04

松原仁准教授「これが泥岩です。見てくださいこれボロボロしてますよね。つまり空気に触れるとボロボロ風化していくという、これをスレーキングと言うんですけど、そういう風化形態が、すぐ風化しちゃうんですね。本当はこれは固いあれ(性質)だったんですよ。」

(Q.県内にはこういうまだ知られていない断層というのがあちこちに?)

松原仁准教授「あると思います。とにかく調べていかないといけない、早急にですね。」

実際に、政府の地震調査研究推進本部の断層帯分布図では、九州地方では細かく記されている断層帯が、沖縄県にはほとんど描かれていません。「見つけやすい陸地の部分が少ないため」というのがその理由です。

藍檀・オメル教授「あんまり活断層が描かれていないのでが、これは「無い」ということではなくて、まだ調査が不十分だと。」

地震学が専門の藍檀・オメル教授は、地震リスクを正しく認識するために、国は沖縄での調査を急ぐ必要があると指摘します。

Q+リポート 熊本地震 現地調査から見えたこと05

藍檀・オメル教授「沖縄本島とか他の島に対して一番危険になるようなものをいち早く明確にして、評価すべきではないかと思います。熊本でも地震がない県という風に思われたんだけども、沖縄でもそう言ってはならないんではないか。」