先週行われた相撲選手権大会です。相撲に熱い気持ちをそそぐ、小さな力士を取材しました。
今月3日、安謝新港埠頭特設土俵で行われた相撲選手権大会。この大会に1人、大きなハンディに立ち向かう小さな力士がいました。全国大会への出場経験もある長嶺銀大(ぎんた)君。先輩の島袋偉海(いなつ)君に誘われて1年生の頃から稽古に励んでいます
島袋君「(銀大君は)相撲が好きで、毎日稽古に来て努力しているなと思います。」
Q:だ、そうです、銀大君?(銀大君笑う)
長嶺君が所属するのは、伊江島の伊江西相撲クラブ。元大相撲力士・琉鵬こと浦崎道涯さんの指導のもと、汗を流しています。
銀大くん「琉鵬さんみたいな幕内力士になりたい。」
たとえ練習でも、負ければ、その目には悔し涙。相撲にかける熱意は本物です。そんな長嶺君、実はある障害を持っています。長嶺君は、生まれつき指が多かったり、くっついたりしてしまう、両手両足多合指症という障害を持っていました。
これまで手術を繰り返し、手の指は5本、足の指は4本に。これからも成長に合わせて手術が必要だと言います。それでも長嶺君は、相撲の時は一切障害のことは口に出しません。
父:長嶺渚さん「(相撲を始めて)一回りも二回りも逞しくなって、心も強くなって、言い訳は一度も聞いたことないです。」
浦崎道涯さん「その人にあった相撲っていうのがあるんですよ。銀大には銀大の形というのがこれから作っていけると思うので。」
その片鱗を見せたのが、1回戦。両腕で相手の足を抱えて倒す、足取りで勝ち上がります。続く準決勝は、同学年でも一回り体格の大きい選手が相手。低い体勢でぶつかっていく長嶺君!しかし…
準決勝で敗れた長嶺君は、その後、3位決定戦も敗れてしまい、悔し涙が…。
Q:どうだったきょうは?
銀大くん「悔しかった。」
父:渚さん「後輩に夢を与えるような力士になってもらいたいです。」
Q:銀大君、なれそうですか?(銀大君、うなずく。)
相撲にも障害にも負けないために、これからも小さな力士は、全力でぶつかっていきます。指導している浦崎さんは、長嶺君には「生まれ持って人に勇気を与える使命があると思う」と話していました。これから大きな力士になってほしいと思います。