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アメリカは現在もイラク戦争を継続中でここ沖縄からも多くの兵士が戦場に送られています。その兵士達の心の闇に迫る映画があすから上映されます。その中身と映画を見た沖縄の生徒達を岸本記者が取材しました。

アメリカ・サウスカロライナ州にある新兵の訓練所。「G.I(政府の支給品)」という俗称を持つアメリカ兵は新兵が訓練所に到着してから48時間、寝ることや私語を許さず、軍隊のルールを徹底して叩き込みます。

おととしから合計7回、延べ200日にも及ぶアメリカ取材を重ねて作品を完成させた藤本幸久監督。

藤本幸久監督「フェンスの内側の人達がどういう人たちなのかというのがすごく気になった。みんなものすごく若いし、幼いし」

映画では軍のイラク派遣命令を拒否し、軍法会議で有罪判決を受けた元兵士が戦争の現実を語ります。

パブロさんは地元の高校で軍での体験を語るボランティアをしていますが、仕事が少ない地方では就職先としての軍の人気は今でも根強いものがあります。

イラク行きを拒否し、禁固3か月、重労働2か月の刑を終えて、今は日本人の妻・しおりさんと子どもの3人で暮らすパブロ。

映画では一方、戦争に参加し、今もPTSDなどの後遺症に苦しむ帰還兵たちの今も克明に伝えます。

藤本監督は先週、那覇市内のフリースクールで講演を行いました。戦場の生々しい映像に思わず顔をゆがめる若者達。一方、沖縄戦を体験した夜間中学の生徒達は戦争をより身近なものとしてとらえ、画面をしっかりと見つめていました。

夜間中学の生徒「底辺の人間だけが苦しんでいるというのを本当にみんな分かってほしい」「戦争はどんなことがあっても駄目。これに日本も手を貸すといったら絶対に嫌です」

また、アメリカ兵の新兵と同じ年代の若者たちは?

若者「自分も今19歳なんですけど、人と接することができなくなったりするのがあるのがショックだった」「(Q:自分の夢を叶えるために軍隊に入るってのは理解できる?)はい。アメリカとかだったら大学を卒業しないといい仕事につけないとかいってたし」

藤本監督はこうした今の日本の若者たちにこの映画を通して、戦争の現実を肌で感じてほしいと語ります。

藤本監督「若者たちが、いつの時代も戦争というのは自分の身を的にしてやらないといけない。これは現代になったからといって全然変わっていない。若者たちの未来や夢や人生をいわば使い捨てにして戦争というのはやるしかない。そういう過酷な運命を背負っていくことになって、そういう未来を担わされた若者が兵士として沖縄に来ている。そういうものとして基地があって、軍隊があるということをリアルに見つめることが必要と思う」

イラク戦争による米兵の戦死者は約4000人、イラク人の死亡は14万人を超えている。しかし米軍は民間人の犠牲者数について数字を一切公表していない

藤本監督の映画「アメリカばんざい」は、あす22日から那覇市の桜坂劇場で上映されます。