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今月18日。石垣島から黒島へ向かう高速船に、黒島へ移住する3人の家族の姿がありました。

吉山さん「いよいよ来てしまったなという感じですね」

Q+リポート 黒島の診療所に医師が来た

医師の吉山(よしやま)直政(なおまさ)さん。福岡の大学病院で救急の専門医として働いていましたが、4月から黒島診療所で勤務します。

吉山さん「誰かがやればよかったという、そういう中で仕事してたんですけども、誰もいないところで頼られるのはいいんじゃないかと、そういう環境に意味を置くと、きっと医者人生としても成長するんじゃないかと。」

港で、黒島に住む人たちの半分近くの出迎えを受けた吉山さん一家。黒島は、去年4月から常勤の医師が不在となっていて、吉山さんの赴任は、島民みんなの願いだったのです。

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島のおばあ「ほんと今日は涙が出るほどうれしかったですよ。離島ですから天気が崩れた時とか、余分に(薬をもらって)ね、(今までの医師は)石垣からいらっしゃるもんですから、余分に薬ももらっていましたよ。」

看護士さん「毎日楽しく暮らせるけれども、どこかには、何かあったらどうしようかなという気持ちが常にあったので。」

今回、黒島診療所は、へき地医療のノウハウを持つ公益社団法人が、竹富町から、診療所の運営を受託。今後は継続的に医師を確保できるのではと注目されています。

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診療所の運営に携わる、地域医療振興協会の崎原さんは、診療所は、医師と住民が顔の見える関係となるため、ある意味では都会よりも恵まれた医療環境だと語る一方、課題も指摘します。

崎原さん「200人が吉山先生を独り占めするというぜいたくな医療。贅沢な医療をやっているんだけれども。また、自分が伸びることも必要なので、研修も十分しないといけないし。」

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小規模離島の診療所で勤務する医師は、代わりの医師が派遣されて初めて、島を離れて研修を受けたり、休暇を取ることができますが、その日数は、月あたりにすると、平均わずか2日程度だと言いす

安定した医師確保のためには、積極的な代診医の派遣など、継続的なサポートが欠かせないのです。

崎原さん「みんなが支えていって、ここに来て良かった、ここで自分は良かったっていう時間を作りたいというかな。そしたら次の若い医者も、自分も来たい、ということで、次から次と言い連鎖になっていくんじゃないかな。」

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移住初日、あっという間に島の子どもたちの輪に溶け込んだ、一人娘のめいさちゃん。吉山さん自身も、まずは島での暮らしに慣れ、1日も早く、島民に頼られる存在になりたいと願っています。

吉山さん「話聞くと黒島ではけっこうみんな元気ぴんぴんらしいですよね。お年寄りの方々もですね。ただやっぱり黒島出身の方で元気でないお年寄りは、どうも石垣島に移住されちゃったりとか、そういうふうなことみたいなので。何かあったら石垣島に行こうというんじゃなくて、黒島でなるべく居れる環境を作りたいなと思っています。」

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