不快感を示す県の幹部もいます。
辺野古の埋め立てをめぐる訴訟で、国と県は、先週、和解したばかりですが、国はよほど急いでいるのでしょうか。
和解条項では、今後、「円満解決に向けた協議」を行いながら、様々な手続きが進められるはずだったんですが、国は3月7日、協議の日程も定まらぬまま、「是正の指示」と呼ばれる最初の一手を打ってきました。
「国土交通大臣が、翁長知事に対し、地方自治法に基づいて、埋め立て承認取り消しを、取り消すよう、法令違反の是正を指示する文書を発出すべく、今、手続きを進めている。」菅官房長官は、7日の会見でこのように述べて、和解条項に定められた手続きを進めていく考えを示しました。
一方、翁長知事は「(官房長官が是正の指示を出すと発表しましたが)今しか聞いてないですね。ちゃんとしたところで言った方がいいんじゃないかね」と話しました。
7日、国が行った「是正の指示」は、翁長知事の承認取り消しを取り消すよう指示するもので、県は不服がある場合、1週間以内に国地方係争処理委員会に審査を申し出ることが出来ます。
審査結果は90日以内に出されますが、最終的には、県が新たに取消訴訟を起こし、その確定判決に両者が従うことになります。ただし、判決確定までは、こうした手続きと並行して、円満解決に向けた協議を行うよう、裁判所に求められています。県内部では、当初、「是正の指示」が出るのは参議院選挙の後になるのではないかとの見方もありました。
それが、7日、協議の日程を話し合うよりも前に裁判の手続きである是正指示が出されたため、驚きをもって受け止められました。ある県幹部は、「円満解決とは程遠い」、「金曜日の総理と知事の会談は何だったのか」など、協議よりも法的手続きを先行させた国の対応に、不快感をあらわにしていました。
一方、翁長知事は、3月8日に予定されている県議会の本会議で、今回の和解の内容などを県民・議員に直接説明することになりました。