久田記者が中継で「那覇市民の台所として親しまれている牧志公設市場に来ています。ちょうど今、市場の移転問題を巡って臨時総会が開かれているところです。那覇市の職員と市場関係者が対峙しています」と伝えました。那覇市の牧志公設市場からの生中継です。久田さん、移転問題についての臨時総会、どうして開かれているんでしょうか。
久田記者「はい、牧志公設市場はこの場所で、65年も前から営業しているんですが、建物の老朽化など防災の面で心配があり、先週、こちらから30メートルほど離れた「にぎわい広場」への移転案が、市議会に対して示されたところなんです。現在、那覇市の職員が、移転案の説明を行っているところです。ここで働く人たちは候補地選定が突如動きだしたことに不安を募らせています。
市場に店を出す人たちは「古くなっていますから建て替えて欲しいと思いますよ」と言い、今の場所がいいですか?と尋ねると「はい今の場所がいいですね」と話します。新しい場所については「慣れないとわからないですが、得意先がわかるかどうかですよね」と言います。また他の店の男性は「(移設予定地に)第2公設市場ってのがあって潰れたんですよね。そこにまた新しい市場を造るという、市の案っていうのは自分たちは納得できないし、この場所でその(人の)流れとか、確実に出来上がっている」と話していました。
久田記者「先ほど市場の組合長にも取材したところ、事業者にとって、移転には非常にリスクがあるとおっしゃっていました。移転先はかつての第2公設市場が失敗して閉鎖した苦い経験がある場所であること、商売の動線や、周辺の通りの客の流れも変わってしまう、ということなんです。一方那覇市は、にぎわい広場への移転で防災機能が向上し、コストも低く抑えられるとしています。逆にこの場所で建替える場合ですと、少なくとも5億円以上が、余計にかかるとしています。市場周辺で商いをする皆さんにも色んな考え方がありますが、共通している想いは、当事者の頭越しに、市場の将来を決めないでほしいということなんです。移転か、建て替えか、来月中の候補地決定を目指す那覇市に対し、議論がまったく足りない、という声があがっています。」