※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
八重山地区の教科書採択が非公開で進められていることなどについて、19日に八重山地区住民の会が採択地区協議会に抗議・要請を行いました。
子どもと教科書を考える八重山地区住民の会共同代表の江川美津恵さんは「市民の正当で知る権利である傍聴の意思さえも切り捨て、情報公開の原則を自ら踏みにじる協議会の姿勢は市民との信頼関係を損なうものであり、到底許されるものではない」と話します。
この抗議、要請は2016年度から使用される教科書について、八重山採択地区協議会が中学校の公民で育鵬社版の教科書を選定したという報道を受けたものです。
住民の会では、会議が非公開のまま採択に至るなど、教科書選定が秘密裏に行われ、前回の教科書問題の教訓が活かされていないと訴えました。
住民の会の男性は「(4年前の)反省が全然行われていない。同じ失敗を繰り返しているようなことで極めて残念」と話します。
教科書問題に詳しい琉球大学の山口剛史准教授は、非公開のまま選定されたことに異議を唱え「こういう公なものを広く市民に公開してすすめていくのは非常に大事なこと。公開性は民主主義、地方自治の中で大事にされるべきこと。そういう点で日程さえ非公開というのは問題があるのではないか。当日の会議が非公開であったことは、どのような理由で育鵬社を選定したのか。どのような長所、短所、誰の意見、誰の評価が高いのかが全くわからないという現実」と指摘しました。
4年前の教科書問題では、教科書が選定されるまでの不透明感が大きな問題となっていましたが、山口教授は今回もまた全てが非公開にされていることが不安を招いているとし、今後のどのように採択協議会が説明するのか注目しなければいけないと話しています。