政府は、辺野古での基地建設に向けた工事を1カ月間中断し、沖縄側と集中的に協議する考えを明らかにしました。また、これを受けて、翁長知事も8月中とも見られていた埋め立て承認の取り消し判断について、先送りする方針を示しました。
菅官房長官は「8月10日月曜日から9月9日水曜日までの間、工事を一時中断し、改めて辺野古移設に関する政府の考え方を沖縄側に説明するとともに、問題の解決に向けて、集中的に協議を行うことにした」と話していました。
菅官房長官は、工事を一時中断する理由として、県の第三者委員会が前知事の埋め立て承認に対し、「法律的に瑕疵がある」との報告を出していること、また、翁長知事が承認取り消しを検討していることをあげました。
政府発表を受け、翁長知事も会見を開き、協議に応じる考えを示しました。そして翁長知事は「いずれにしても今入口に立って、2,3回話したことになるが、普天間飛行場を辺野古に移設するということは不可能であるということを改めて申し上げたい。話し合いで、解決の糸口が探れるのであれば、そのための努力は惜しまない」と話します。
翁長知事はまた、工事中断の一カ月間は、政府との事前協議はもとより、埋め立て承認の取り消しに向けた判断をせず、両者で話し合いを続けたいとの考えを示しました。
一方、両者の会見を受けて、関係する機関でもさっそく動きがありました。外務省沖縄事務所には、県水産課の職員が訪れ、担当者から、辺野古の海の臨時制限区域内への立ち入り調査について、今後必要になる手続きなどの説明を受けました。
臨時制限区域への立ち入り調査は、県がアメリカ軍に対し、求めていたものですが、菅官房長官は、会見の中で許可される見通しも明らかにしています。
街の人たちは「これまでも政府のやってきたこととか言ってきたこととかを考えると、単なる時間かせぎなんじゃないか」や「これを機に政府も真剣に耳を傾けてほしいですね。沖縄県民の声というのをちゃんと反映させてほしいですね」と話していました。