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幼児虐待の実態と課題

今回の事件、日常的な虐待の可能性が極めて高くなってきましたが、死亡した娘の母親からは何度かSOSも発信されていましたが、なぜ、幼い命は救えなかったのでしょうか。

県子ども福祉部とコザ児童相談所は29日午後会見を開き、4月の相談以降の対応の経緯について説明しました。コザ児童相談所・前川英伸所長は会見で「一時保護が必要との判断をしていたので、中度から重度という(虐待の度合い)を考えておりました。亡くなった長女に対してはつねる行為、水を掛ける、大便を漏らした時にしつけということで食べさせたということも聴取しています」と父親の行為を話しました。

コザ児童相談所では、一時保護に踏み切ろうとした日に家族が、宮古島へ転居していたためその後、宮古島の職員との連携がうまくいっていなかったことを認めたうえで今後、有識者をによる検討委員会で協議するとしています。

この事件を受け、沖縄国際大学の総合文化学部で教鞭をとり、現在コザ児童相談所で児童虐待対応の外部専門家として従事している比嘉昌哉准教授は、今回の事件について初期対応が重要だったと話します。「4月後半に警察児童相談所に相談をしているというのがあるが、その時点で適切な対応ができていたら違った結果になっていたのかなと。」「典型的なケースとして父親が子供にだけ、母親にだけ暴力をふるうなというのはあまりなくて、いわゆる力で抑え込まれてるところがある。今回母親がシグナルを発した。そこできっちりつかまないといけない。」

また今回、一時保護寸前で宮古島へ移転後、安全確認として警察官が訪問したことが適切だったかについて比嘉准教授は「警察の方々に虐待の知識であったり、家庭訪問でどこまで確認できたのかということに課題があるかなと思います」と話し、また、比嘉准教授は今後、沖縄の社会にある特異性を踏まえて、対策を考えて行く必要性があると強調します。

「離婚率が高かったり若年出産が多かったりというようなところからすると、早い段階での親への支援は、他府県にましてリードさせていかないといけない」「沖縄社会が抱えている課題が、一番弱いところに出てきているのかなと思いますし、とはいえ実際に苦しんでいる子ども達をどう救っていくのかという時に、子どもが加害者である親が、パートナーがSOSを出しているのをしっかりつかむのがとても大切」だとしました。