3週間にわたってお伝えしてきためざせ甲子園、最後を飾るのはこの夏の第1シード・興南高校です。
甲子園春夏連覇から5年。この夏、興南はその伝説以来となる第1シード。「復活の夏へ」機は熟した!
我喜屋優監督「本当に興南野球、強いチームが帰ってきたんだというのをお見せしたいと思います。」
名将も自信を見せるこの夏、その裏付けが、練習にある。アップでは夏の暑さに強くなるため、選手たちは上着を着て臨む。そしてボール回しもただのボール回しではない。
ボールを受けたら自分のポジションを想定した1プレーを付け加えて送球する。練習のための練習はしない、ここに試合があるのだ。
さらなる驚きは、バッティング練習。画面左が通常の投手の位置、それに対し、画面右側の投手たちはその約半分、8メートルの距離で打者に対する。興南ナインはこれを打ち返すのだ。
石川涼外野手「最初は当たりもしなかったです。ストレートが打てるという自信があると、変化球も対応できるので。」
この厳しい練習で培った力が、この夏への自信となる。その中でも注目がこの(比屋根)投手だ!
1塁側に大きく足を踏み出すフォームで打者を惑わせる2年生・比屋根雅也!春季県大会では、46イニングを投げて45奪三振。防御率は0.39と圧巻の投球だった。
さらに2枚目には、これまではケガで一度もベンチ入りがなかった3年生の宮里匡輝が急成長。春の大会以降、県外の強豪チームとの試合で失点はゼロだ。その投手陣を援護する打撃陣も春季県大会6試合中3試合でコールド勝ちと迫力がある。
特に春、チームトップの打率.450、9打点をたたき出した石川涼や去年の夏から4番を打つ喜納朝規らが得点力の柱となる!夏に向け確実に作り上げる興南ナイン。チームには、練習を支える頼もしい存在がいる。
我喜屋優監督「チームを支えてくれるという意味では本当に古城マネージャーにしても『特待』ものです。」
我喜屋監督に「マネージャーとして特待生」と言わしめるのが、古城大地君。練習を効率よく進めるための準備や指示出し、スコア付けなど仕事は多岐にわたる。サポート役に徹する古城君だが、やはり初めは迷いもあった。
古城大地マネージャー「(興南の)春の準決勝・決勝を生で見て、かっこいいなと思って(入学した)。選手・プレーヤーも捨てがたかったんですけど、部員が見てのとおり120人近くいて、その部員をまとめるがとてもキャプテン1人では大変だと思って。」
自分がプレーヤーとして活躍するよりもチームがまとまって勝つことを優先した古城君。多くの部員を見ながらも、選手一人一人へのサポートも欠かさない。
宮里匡輝投手「古城から『気持ち』って言葉を(ツバに)書いてもらったんですけど、試合の中で崩れそうになったり、気持ちが折れそうになったりしたらこの帽子を見て、立て直そうという気持ちになれるので。」
その古城君自身の帽子のつばには「執念」の文字が。
古城大地マネージャー「『執念』は何か一つのことを、一つのことに対して成し遂げるっていう意味があるんですけど、最後の夏なので、しっかり甲子園という舞台に立って、興南高校の野球を全国に知らせるような野球がしたいです。」
選手も、マネージャーも、全員が同じ夢に向かう興南ナイン。春夏連覇の偉業から5年、復活の夏が始まる。
比嘉龍寿主将「先輩たちが成し遂げてきた偉業というのはすごいんですけど、自分たちの足元を見つめて1戦1戦戦っていきたい。」
石川涼外野手「絶対に甲子園決めたいと思います。」