野島記者「碇石とみられるものは、ちょうどあちらの仮設桟橋が設置されるとみられる海岸付近で見つかったといいます」
注目を集める石がみつかったのは、ことし2月から3月にかけての名護市の教育委員会が実施した文化財調査でのこと。キャンプシュワブ内の仮設岸壁の建設予定地付近で見つかりました。
発見されてから2カ月以上に渡り、基地内で保管されていたため、今月11日に名護市議会は石の引き渡しなどを求める決議を賛成多数で可決。翌日には沖縄防衛局立会いの下、名護市の教育委員会に引き渡されました。
石は、教育委員会の資料室に保管されていて、これまでのところ公開されていませんが、引き渡された後、直接、石を見た専門家は「碇石」の可能性が高いとの見方を示しています。
県立博物館・美術館 片桐千亜紀主任学芸員「ちゃんと実物を見せてもらって、観察を何人かでして。素材とかも見て調べましたので。僕はあれは碇石、沖縄で見つかるタイプの碇石でいいと思いま」
片桐主任学芸員「形はこれ(中国製の碇石)より歪な形をしているんですが、中央部に溝があるというのが一番大きい」
県によると、県内ではこれまでに8つの碇石が発見されていますが、片桐さんは、直接水中から見つかるケースは珍しいと話します。
片桐主任学芸員「沖縄県内で海底から碇石が見つかった例というのは今回を含めて2例しかない。海底から碇石が見つかるということは、すなわち、その海域が港として使われていた可能性が考えられる」
貴重な文化財としての可能性が出てきた石。
今後、遺失物として名護警察署に届け出が出される一方で、県の文化財課によって詳しい鑑査が進められる予定です。
県教育庁文化財課・萩尾俊章課長「例えば重要な遺跡だったら工事計画を変更してもらうとか。あるいはある程度、記録保存ということで、調査をやって記録で終わると」
一方、政府は。
中谷防衛大臣「防衛省としては、キャンプシュワブ内における埋蔵文化財の取り扱いについては、関係法令に従って適切に対処していく所存です」
今後、石が文化財と認められれば、名護市の教育委員会が立ち入りを求めている現地での試掘調査、本調査を法律に基づいてさらに広い範囲で、詳細に実施することになるということで、辺野古への基地建設のスケジュールに影響が出るものとみられています。