めざせ甲子園!この夏、出場する野球部の中には、部員不足に苦しんでいるチームがいくつかあります。きょうは2人しかいない3年生が、チームを支えている名護商工高校を紹介します。
北部工業と名護商業の統合校として開校した、名護商工高校。今年で創立9年を迎えました。こちらは電建システム科(建築技術コース)進学や就職に大きなメリットとなる資格取得へ向け、実技の授業。
平良颯主将「高校卒業して京都の専門学校に進学して宮大工を目指してがんばりたい。」
あれ、ヘルメットから、ちらっと見える一厘刈り。もしかして野球部?ちょっとおっちょこちょいながら、明るく野球部一元気なキャプテンの平良颯(たいらはやて)くん。そんな野球部を率いるのは、この4月転任してきた安富(やすとみ)監督。
安富監督「最初4月に来た時、6名でキャッチボールとトスバッティングをしているのを見て、6名でやっているんだな、合同チームでやっていたのは知っていたんで。」
平良颯主将「たまに練習一人の時があって、一人で3時間ぐらいベースの上で遊んでました。前の監督がお前何してるのかって言って、ベースランしてますって言ったらはぁ~ってどっかいきました(笑)」
平良君が1年の夏!名護商工は初の16強入りを果たすなど躍進著しいチームでしたが、去年の夏は一回戦負け。迎えた秋の大会は部員が足りず、助っ人を入れて出場、そして、ことし春の大会は、単独でチームを組む人数がそろわず中部農林高校との合同チームで出場となりました。
平良颯主将「6人になった時に1人でもがんばれと言われたけど、3年生が1人だったら今の状態では続けていけなかった。」
3年間、平良くんと共にチームを支えてきたもう1人の3年生、島袋礼人くん
島袋礼人投手「自分たちと同じ環境で練習している学校がいて、一緒に練習してても人数が増えたら楽しかった。いい経験になった。」
安富監督「ほんとにこの2人は単独で試合に出る楽しさ、合同チームの楽しさも両方知っている」
そんな野球部にこの春1年生が14人入部、6人から一気に20人に。
平良颯主将「10人ぐらい入ればいいかなと思っていたので、まさか14人も入ると思ってなくて、うれしかったです。」
島袋礼人「正直とてもうれしかったけど、同じピッチャーが4人もいたので。」
平良颯主将「礼人がいたおかげで僕は今ここにいると思います。」
島袋礼人投手「颯がいなかったら自分も夏休みの後、野球をやめていたかもしれない。」
どんなに部員が減っていっても、常に2人がいました。
安富監督「感謝する気持ちをこの2人は誰よりも持っている。長く一緒に野球をやっていきたい。」
島袋礼人投手「なんとか2人でこのチームを引っ張っていけて、最後の夏は勝ちたいと思います。」
平良颯主将「負けても勝っても1人1人がむしゃらに全力でプレーしていきたい。」
続けていくことの難しさと、大切さ。2人の3年生の想いはこの夏、小さなチームを大きく変えようとしています。
「最高の夏にするぞ!オッー!」