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知事訪米リポートの第二弾です。帰国後、その成果を強調した翁長知事ですが、一方でアメリカ側の冷ややかな反応も目の当たりにしました。今回試みた、知日派と言われる研究者へのインタビューからは、沖縄の訴えに対する壁の高さが伺えます。

知事訪米リポ(2) 沖縄の訴えに米側は冷淡な対応

訪米の最終日。翁長知事は、稲嶺名護市長らとともに政府に政策提言を行う、あるシンクタンクの研究員との会談に臨みました。

新米国安全保障センターのパトリック・クローニン上級顧問。現政権にも近いと存在とされ、日米の安全保障問題に精通する、知日派としても知られる人物です。

会談は非公開でしたが、直前のインタビューでは知事訪米の意義を、一蹴しました。

知事訪米リポ(2) 沖縄の訴えに米側は冷淡な対応

パトリック・クローニン上級顧問「アメリカ政府にとって翁長知事にわざわざ時間を割く動機がほとんどないだろう。翁長知事は怒りをあおる言葉を使いすぎている。知事は県民を代表して意見を述べること出来るし、それは重要ななことだ。」

パトリック・クローニン上級顧問「しかしその一方で、彼は基地は国家安全保障戦略の一部であり、非常に高度な二国間同盟の問題であるということを理解しなければいけない。ここワシントンでは全く異なるレベルの政策決定がなされているということを、彼は最後に知ることになるだろう。」

パトリック・クローニン上級顧問「「アメリカ政府というのは、政策を実行するもので、理論的な議論をする場ではない。議論をするのはあくまでシンクタンクであり、政府というのは、そのようなことに予算を費やすことはない。」

クローニン氏はこのように話し、知事の訪米を時すでに遅しと言わんばかりに、すでに政府間で決まっていることを覆すことはできないと強調しました。一方、知事の訪米に同行した県議らで構成する訪米団も、アメリカ側の頑なな対応に直面します。

知事訪米リポ(2) 沖縄の訴えに米側は冷淡な対応

スティーブ・ラッセル下院議員「一つの基地が閉鎖され、別の基地の建設が提案されているが場所が受け入れられないというなら、代替案はあるのですか。」

訪米団団長 渡久地修「まず辺野古移設の計画を中止して、それから話し合いましょうと言うのであればまだ理解できるけども、代わりの案を沖縄側が出せというのは到底受け入れられるものではありません。」

スティーブ・ラッセル下院議員「もし断固交渉の余地はないという立場をとるつもりならば、日米の防衛上の必要性の代替案を出さなければならない。」

訪米団団長 渡久地修「そういう冷戦時代の、いわゆる抑止力、軍事力、沖縄の地理的な地政学、中国の脅威、こういったものでそういう議論70年間沖縄県民これで苦しめられてきたんです。そういう目線で見る限りこの問題は解決できないと思います。」

前知事によって埋め立てが承認された後の、ワシントンの空気をどれほど変えられるのか。シンクタンクとの会談に同席した稲嶺名護市長は、次のように分析します。

知事訪米リポ(2) 沖縄の訴えに米側は冷淡な対応

稲嶺名護市長「日本政府が、辺野古が唯一というのをずっと繰り返していて、2+2でも確認されて、日本政府の要求と言いうか、主張に合わせて、米政府もシンクタンクもそれにならっていると。知事の覚悟、本気度は相手に示したと。」

今回の訪米で、翁長知事が示した本気度が、差し迫る辺野古埋立ての、承認「取り消し」につながるのか。翁長県政の今後の対応が注目されます。