中川アナウンサー「さて、今回の訪米について「新たな一歩」とした翁長知事ですが、ここからはアメリカで取材を続けた野島記者に聞きます。」
中川アナウンサー「Q,野島さん、今回の訪米では、アメリカ側からかなり厳しい回答があったような印象を受けますが、実際に間近にいて、いかがでしたでしょうか?」
野島「はい。確かに印象はかなり厳しいものでした。こちらが、今回の知事の会談日程をまとめたものですが、実に、政府関係者や議員、シンクタンク、あわせておよそ20人との会談に臨みました。その中でも最大の山場だったのは、こちら最終日に設定された実際、政策の立案などに携わる政府関係者との会談です。」
知事国務省入りこの中で翁長知事は、辺野古移設に反対する沖縄の民意を就任後初めて、直接訴えました。しかし対応した国務省と国防総省の担当者は「辺野古移設が唯一の解決策だ」「日米両政府は揺るぎない決意だ」と強調しました。さらに「前知事の埋め立て承認を取り消すのか」と踏み込んだ質問する場面もあり知事の辺野古阻止に向けた本気度を警戒している印象も受けました。
野島記者「また、こちらですが、会談直後に、異例の早さで配られたプレスリリースです。リリース接写こういったリリースを事前に準備していたその用意周到な姿勢からは政府側が、日米で合意した「移設計画」を進める考えにまったく変わりがないとする強い意図のようなものを感じました。」
中川アナウンサー「Q,このような流れを見ていますと、知事らはかなり厳しいアメリカ政府の反応を目の当たりにしたようですね。ですが知事は、一定の成果も強調していますよね?」
野島記者「はい。翁長知事自身、今回の反応も「想定内」と話していて、その中で、一つ一つ成果を積み上げたい考えです。その中で、今回最も大きな成果ともいえるのが、軍事委員長のマケイン上院議員との会談があげられます。」
共和党の大統領選でも名前が挙がり政権への影響力も大きいマケイン議員ですが、翁長知事は今回、外務省など国のパイプに頼らず4月末に開設した県のワシントン事務所などを中心に独自のパイプで会談を実現させました。「現行案を支持する」とした議員に対し、翁長知事は、「日米安保には理解を示す」と保守的な立場を強調しました。
しかし「県民は一度も、自ら基地を提供したことはなくこれ以上、新たな基地は認められない」とその理不尽さを訴えたうえで、「対話を続ける」との回答を引き出しました。
翁長知事「私自身が日米安保体制を十二分に理解しているということ、そして辺野古への建設ということについて沖縄県民は、このように思っていますというようなことを話をした。(マケイン議員からは)とにかく継続して話をして頂けるということで、大変あの私からすると有意義だったなという風に思います。」
野島記者「知事の最後の会見厳しい反応の中でも一定の成果を強調する翁長知事ですが、一方で、今回同行して、様々な議員との会談を見ていると、「それほど反対しているのか」とこの問題の、アメリカ国内での認知度が低いことも感じられました。安倍総理の訪米などではなかなか伝わらない沖縄の民意を県では今後、アメリカ国内でも広げるためワシントン事務所を中心にロビー活動を展開して働きかけを続ける方針です。」
中川アナウンサー「厳しい状況も伺えましたが、実際にアメリカに行って、知事が直に伝えたことに大きな意味がありますよね。知事の訪米を巡っては、あさって改めて残された課題についてお伝えします。」