今月20日に開幕する夏の高校野球沖縄大会を前に、出場校を紹介する「めざせ甲子園」です。きょうはKBC学園未来高校、この春新しく誕生した野球部です。この夏、沖縄高校野球界に新たな風を吹き込みそうです。
ことし4月10日、この日、産声をあげた野球部があった。
神山昂監督「(初ミーティングにて)記念すべき1日目になります。がんばっていきましょう、よろしくね。」
KBC学園未来高校。チームを率いるのは、沖縄水産・那覇商業の監督として甲子園にも出場した名将・神山昂監督。部員は、息子の神山剛史部長と2人で、去年1年かけて、県内の中学校を回り、声をかけた12人の1年生だ。
砂川蓮選手「神山先生というすごい指導者のもとで野球ができるので来ました。」
神山昂監督「待ちに待ちたるというんですかね、ずっと去年から(準備して)今日という日がスタートできたので。」
那覇市泉崎などに校舎を置くKBC学園未来高校。通信制もある学校だが、総合学科に通う生徒は、平日学校に通い、国語や数学といった普通科目、資格取得に向けた専門科目を学ぶ。
野球部員は総合学科内に新設されたスポーツコースに所属。授業として野球の練習に打ち込みながら、卒業までに7つ以上の資格取得を目指すなど、文武両道をモットーとする。
「気を付け、礼、お願いします。」
野球部立ち上げから1ヶ月半。この間に、日本高野連への加盟が承認され、ことしの夏の沖縄大会でのデビューが決まった。
初めての夏に挑む未来高校には1年生チームならではの取り組みが。体作りのため選手たちが黙々と食べるのは、総量「2キロ」を超える弁当だ。
「(Q.あまり箸が進んでないみたいですけど?)結構頑張ってます。(Q.2キロはきつい?)きついです。」
また先輩がいない1年生だけのチームでは、キャプテンも当然1年生。チームにはその負担を減らす取り組みもある。
平田昭人選手「(Q.何キャプテンなんですか?)道具キャプテンです。(Q.何するんですか?)自分が道具を割り振ったりしています。全部確認して持っていきます。」
山川陸選手「自分はバスキャプテンをやっています。(Q.何するんですか?)みんなが集まっているかどうかとかバスの管理とか。」
その他、声出しキャプテン、靴キャプテンなど、細かく分け、一人一人がキャプテンの自覚を持つようにしているのだ。
新盛和司主将「全部キャプテンを決めたら自分も気が楽になったりする部分もあって、野球にも最初に比べたら打ち込みやすくなっています。」
すべてを自分たち1年生で作っていく大変さはあるものの、チームの中心となる投手には、12人中7人が立候補するなど1年生だけの状況をプラスにとらえている。1人あたりの練習量も多く、この短期間で守備なども着実にレベルアップした。
神山昂監督「目に見えて成長しているというか、今までにないような経験なんですよね。」
選手たちの成長に驚く神山監督。その戦力分析は、ずばり「未知数」。怖い者知らずの1年生チームが、沖縄高校野球界に新しい風を吹き込む!
下地晃之介選「自分たちの力を発揮して、3年生にも『強いな』と思わせるような夏にしたいと思っています。」
新垣豪哉捕手「みんな1年生なので、全力プレーでやっていきたいです。」
「初勝利目指して、頑張るぞ!」