こんばんは、スポーツです。ことしで31回目を迎えた全日本トライアスロン宮古島大会。コースの変更など話題も多い中、この大会に挑み続け、今回が最後の挑戦となる選手がいました。
「完走したもの、すべてが勝者」競技の過酷さ故に、こう称されるトライアスロン。総距離200キロを超える宮古島大会ですが、今回、バイクのコースにあらたに伊良部大橋・伊良部島が追加され距離が2キロ延長されました。しかも…
実行委員「水泳競技は中止になりましたので、アスリートの皆さん、デュアスロンの準備をお願いします」
この日、断続的に降り続く雨で、スタートのスイム3キロが中止に・・・。これに変わりランが6.5キロ追加され、総距離は205.695キロと、大会史上最長となりました。
より過酷さ増したこの大会に最後の挑戦となる選手がいました。
平岡明則さん「2人の方が速い!ミー君の優勝〜!」
2人の孫と砂浜で遊ぶのは平岡明則さん、埼玉県に住んでいましたが宮古島トライアスロンに惹かれ、10年前に移住。御年65歳、今大会の最高齢選手の1人です。
平岡明則さん「(孫は)やっぱりこうして、言うこと聞かなくても可愛いなって思いますね。」
孫・美槻(みづき)君「(Qおじいちゃんはどんな人ですか?)優しい」
孫・虹(こう)ちゃん「(どんなところが優しい?)おもちゃすぐ買ってくれるところ。ハハハ」
一見したところ、穏やかで優しいおじいさん。しかし、トライアスロンになるとその超人ぶりを発揮します。平岡さんが初めて宮古島大会に出場したのは21年前。その後19回出場、すべてで完走を果たしています。
平岡明則さん「(宮古島の)このロケーション最高ですよね。それと応援なにかこう引き込まれて抜け出せなくなった、そんな感じですね。まだ最後って感じがしなくて、いつも通りの準備を重ねてきたって感じですけど」
移住するほどに、夢中だった宮古島トライアスロン。しかし、大会の年齢制限のため、今回が最後の挑戦になります。埼玉からは娘の幸さん、孫の虹ちゃんと見槻君が応援にかけつけました。
平岡明則さん「とにかくこの元気な姿を目に焼き付けておいてほしいなって思いますね。」
孫2人「じじ、頑張ってください明則さん:はい頑張るねぇじゃあね〜」
ラン・バイク・ランのデュアスロンとなった平岡さん、最後の宮古島大会。それでも平岡さんはスタートのランを軽快な走りでフィニッシュすると続いて、157キロにおよぶバイクでの宮古路へと飛び出していきます。バイクコースに今回初めて追加された伊良部島では雨の中、応援にも熱が入っていました。
島民「初めてのトライアスロンの応援で、自分の島を回るもんで絶対に応援しますということで。」
伊良部大橋の新名所はまた、選手たちにとっては急な勾配と強風に苦しむ新たな難所でもありました。しかも、宮古本島でも待ち受けるアップダウンに体力を奪われながらも、前へ前へと進みます。そんな選手たちの背を押すのが、沿道の熱い応援です
平岡さんも声援に後押しされながらこれまでよりタイムを落としたもののバイクをフィニッシュします。
娘・幸さん「時間ちょっと遅い気がしますね。もしかしたら風もあるし、年齢も年齢なのでちょっときついのかなと思ってますけど」
それでも平岡さんは孫の前では常に笑顔。
美槻君「あんこ嫌っ」
明則さん「あんこ嫌なの?何が良い?」
虹ちゃん「おじいちゃん早く(行って)!」
明則さん「何が良い?クリーンパン?」
見槻君「早く行って!」
しかし、その笑顔ほど、体力に余裕はありませんでした。
明則さん「あぁ〜もう足が限界ですね。なんかちょっと脱水みたい、さっき水を4〜5杯飲んで何とか」
明則さん「(最後だから)どんなことがあってもゴールしようとやっぱり思いましたね今回ほど思ったことはなかったです。ゴールで皆さんが待っているんで、そのことばかり考えていました」
2回目のランの半ば、ペースも落ち始めた明則さん。それでも孫たちの声援を受けながらゴールを目指します。スタートからおよそ11時間、あたりも暗くなり始めたフィニッシュ地点。最後の宮古島トライアスロン、有終の美を飾りました。
平岡明則さん「本当に満足しています、なんか寂しくなるかなと思ってたんですけど自分がセンチになるかなと思ってたんだけどならずに本当に満足ですね最高です。もうそれに尽きます」
ことしも多くの感動に包まれた宮古島トライアスロン。平岡さんも最高の達成感に浸りながら、閉幕を告げる花火を見つめていました。平岡さんは65歳という歳を感じさせないまさに鉄人のようでした!選手のみなさんお疲れ様でした。以上スポーツ部でした。