那覇空港の新国際線ターミナルがオープンして1年。東南アジアの国々から直接沖縄を訪れる観光客の数は、急速に増えています。
去年から今年にかけて、「想定を超える増え方」と言われる外国人観光客。受け入れ対応に追われる業者、積極的な取り組みを行う業者、外国人観光客をめぐる業界の様子をお伝えします。
去年2月に新国際線ターミナルがオープンして以降、那覇空港には、LCCと呼ばれる東南アジアからの格安航空会社の就航が増えています。今、アジアの人たちにとって、「安くて近い」沖縄は、「手軽に遊びに行ける日本」として人気です。
去年から今年にかけては円安の影響もあり、この1年間の外国人入域観光客数はウナギ登り。ホテルにとって、国内客とは比較にならない勢いで伸びる外国人客は、「長く付き合うお客さん」として重要な存在です。
那覇市のロワジールホテルは、このほど部屋をリニューアルしました。外国人客への対応も想定したインテリアになっています。
ロワジール・ホテルズ沖縄レベニュー&マーケティング部WEB販売宮城 明日香さん「沖縄の海を感じていただいて。ベッドの後ろにも織物を、沖縄にはたくさん織物があるので、こういったものを各お部屋にポイントとして配置しております。”慶良間ブルー”と言っておりますけれども、ブルーのものをポイントにおいています。」
「スマートフォンやタブレットの普及によって、Wi-Fiの接続が重要課題になっていましたので、(リニューアルに伴い)こちらも全館Wi-Fiに接続できるようになりました。」
東亜旅行社社長林 国源さん「今ね、3月7日だけがいっぱいなんですよ。」開業から40年近くになる沖縄では老舗の旅行業者。明日から始まる春節シーズンは、本来なら書入れ時ですが、今年は、プロ野球キャンプのシーズンが重なったこともあり、部屋の確保に苦戦しています。
東亜旅行社社長林 国源さん「(お客さん)受けられないっていうのが、こんな辛いことないんですよ。初めてですね。」
外国人客を受け入れるには、ホテル、バス、ガイドの三つが必要ですが、これらの手配も、以前に比べ予約をとるのが厳しくなっています。
東亜旅行社社長林 国源さん「海外からのお客様、今まで全体の中で占める割合って大体5%。それが、去年10%を超えてしまったんです。そのために、ホテル、バス、ガイドなんか、全部これが不足状態になってしまった。」「みんな効率よくするために、コントロールセンターのようなものがあったらいいと思います。」
一方、個人客のレンタカー利用率も増えています。沖縄県レンタカー協会によれば、レンタカーを利用する外国人客は、去年から今年にかけて、およそ2.5倍に増えました。空港近くのレンタカー会社。消費力の高い外国人客が急増することを想定し、先手先手で取り組んできました。
那覇空港への到着便のピーク、午前10時〜11時を過ぎると、次々とお客さんがやってきます。OTSでは、外国人客が利用する車には初心者マークを貼る。到着した外国人客に沖縄の道路情報や注意事項を説明。
この営業所で保有する車は、およそ2,000台。4カ国語のナビ対応を備え付けたクルマは99%。外国籍の語学対応スタッフは17人。今年の春節シーズン(2月18日〜23日)だけで、少なくとも600台以上を貸し出す予定です。
沖縄での運転を体験するこの安全シミュレーターは、7年前に、2,000万円をかけて導入しました。安全シミュレーターを体験した台湾からの観光客は―「台湾では車は右側通行なので、(沖縄で)間違えないか心配で練習しました。」
敬虔なムスリムのためのプレイヤー・ルーム(祈祷部屋)もあります。
(株)沖縄ツーリストOTSレンタカー部常務取締役中村 靖さん「レンタカーを使った個人型の旅行がだいぶ増えています。その背景には、LCC格安航空会社、そういった料金体系が市場に浸透しているので、そういったことで、個人型が増えていくのは、今後も間違いないと思います。」
観光客数1,000万人達成をけん引するとされる外国人客。このビジネスチャンスを、どう活かすか。官民が連携した受け入れ体制の充実が求められます。