Qリポートです。きょうはドクターヘリリポ第6弾です。今月、待望の県のドクターヘリが正式配備されました。その活躍が期待される一方で、資金難から運航を休止している名護の民間ドクターヘリは運航再開を目指し今、懸命に活動を続けています
井上先生「沖縄県民の命を守るんだという、沖縄県と我々と一体感を持ってやる事業がスタート出来たことはすごく嬉しい」
先月29日、読谷村のヘリポートで行われた、沖縄県初の「公的ドクターヘリ」の運航開始式。
テープカット「どうぞ!見事テープにハサミが入りました」
県のドクターヘリ事業が委託されたのは2005年から、全国初の民間ドクターヘリ「U-PITS」として700人余りもの急患を搬送してきた浦添総合病院でした。沖縄の救急ヘリ事業の魁として、この3年の間、公的ドクターヘリの必要性を、県や国に訴え続けてきた、井上徹英(てつひで)院長は、感慨深げに式典に参加していました。年間2億円近い運行費用は病院の経営を圧迫。行政の支援がなければ、事業の継続は今年が限界だったと語りました。
11月29日・運航開始式 井上先生「もうこれで支援が入らなかったら継続は難しかったと思います」
12月1日、浦添市牧港のヘリポート。県の「公的ドクターヘリ」第1号の患者は鹿児島県沖永良部から搬送された男性でした。
脳梗塞の疑いもあるこの男性は、すぐに浦添総合病院の救命救急センターに運ばれ、適切な処置が施されます。昨日までにドクターヘリは15人の患者を搬送しています。
小濱先生「一機ではまず無理ですよこの広域に」
NPO法人MESHサポートの代表、小浜正博医師。今年6月に資金難から運航を休止している名護の民間ドクターヘリMESHの支援活動を続けています。運航休止から半年が経過していますが、この間も、医師や看護師などメンバーは、運航再開を目指し、様々な場所に出かけています。
支援活動前の全体ミーティングで小濱先生「きょう一日よろしくお願いします」
この日は中南部の人たちにもMESHの現状を知ってもらおうと南風原町のデパートで実際にヘリも飛ばして、支援を呼びかけました
イベントが始まる前、店内を回る小濱先生。
小濱先生が周囲のお店に挨拶周り「救急ヘリの責任者をやっている小浜と申しますが、きょうちょっとあの〜イベントで騒がしくなるかと思うんですけど、ご迷惑をかけしますけどよろしくお願いします。(店員さん:頑張って下さい !。) ありがとうございます。」
医師や看護師らが、直接街頭に立って、ヘリ存続を訴える姿が支援の輪を広げています。
小浜先生「俺ら考えているのは一つや、地元の人をいかに救うかや、それだけやから」
北部の医療拠点である医師会病院には毎日のように急患がやってきます。
急患電話入る「救急の比嘉です。5分後救急車でお願いします」
呻きながら患者が搬送される。搬送されてきたのは50代の男性、
伊藤ゆい医師「糖尿によるものだと一番は思いますけどあとは心筋梗塞も完全には否定出来ないのでそれらの検査も必要ですね」
患者さん「食事とれてました、取れてない?どれくらい?何日間くらい食べてないです?患者「丸二日」丸二日食べてない。」
男性は、糖尿病を患いながら、治療を自ら中断、さらに丸二日、食事もしていなかったと言うのです。
MESH密着 患者さん「(お酒は?)寒い・・・ここ数日飲んでた?ご飯食べられないかわりに飲んでた?」
命の危険もあった男性でしたが、スタッフの処置で容態は安定。その後無事に退院しています。
看護師主任比嘉公子さん「もし(救急MESHが)飛んでいればもっともっと、助けられたりとか、後遺症も残さず、軽症でね、終わる人もいたのかなと思うと残念ではありますけど」
小濱先生「人の命以上に大事なものが果たしてあるんだろうか」
MESHが運休してすでに半年。小浜先生は来年1月の運航再開を目指しています。
現在4,274人の会員が集まり、資金も約2900万円集まりました。それでも、年間の運航費約8000万には届きません。この現状を救おうと北部12市町村も支援体制を作り始めています。さらに名護市も今月の議会で300万円の補助金を計上する予定です。
名護市長「このスタッフの先生方の熱意に打たれていると思いますね」
名桜祭小浜先生呼びかけ「北部の救急ヘリの支援活動をしているMESHサポートです。北部の救急ヘリを残すためのご支援をお願いしています」
名桜大学学園祭にも小浜先生の姿が地元だけに沢山の人が協力を買ってでました。
名桜祭 夫婦「今ちょうど(妻が)妊娠しているんですけど、やっぱり何かあったとき安心かなというのがあると思います」名桜祭 募金した男性「救急ヘリとかやっぱりないとやっぱり助かる人も助からないからこれは是非あったほうが良いと思うんだけど」親子連れ「一刻も早く復活させて欲しいなと思います」
来年、救急ヘリMESHは果たして沖縄の空を飛ぶことが出来るのか。小浜先生らの訴えは続きます。
上江洲看護師長「(Q.ヘリは飛ぶんですか?)ヘリ飛ばします。絶対に」
小濱先生「誰しも出来るとは思っていない。でも私は信じている“出来る”と我々スタッフは全員出来ると信じてやっていますから」
今、北部の医療環境を変えられなければ、これから20年先も医療格差が続くという危機感が小浜先生を動かしています。以上、Qリポートでした。