下地幹郎候補「この沖縄は基地問題だけではない」「賛成か反対かを入れてもらって、それで県民の旗を決めて、安倍さんに従ってもらおうじゃありませんか」
喜納昌吉候補「辺野古の基地の問題に関して、私は断言します。取り消しをします」「沖縄の心を運んで、世界に”平和の花”を咲かせます。よろしくお願いします」
翁長雄志候補「普天間基地は国外、県外移設。そして県内移設反対。新辺野古(基地)建設は、あらゆる手段を尽くして、必ず造らせない」
仲井眞弘多候補「是非普天間の解決。最優先で。何とか今度ですね、私にもう一回仕事をさせてください」
普天間基地の辺野古移設を最大の争点とする県知事選挙。きょう告示日を迎え、現職と新人の4人が立候補の届け出を済ませ、およそ2週間の歴史的な選挙戦に突入しました。
届け出を行ったのは元郵政民営化担当大臣で、無所属新人の下地幹郎さん(53)、元参議院議員で無所属新人の喜納昌吉さん(66)、前の那覇市長で無所属新人の翁長雄志さん(64)、現職で無所属の仲井眞弘多さん(75)の4人です。
下地さんは、けさ、那覇市の県庁前で出発式を開き、県民投票の実施で、辺野古移設問題を終わらせると訴えました。
下地候補「辺野古の問題は19年経ちました」「県民投票で、もうこの問題を終わらせてノーサイドにして。新しい私たちは新たな課題に私は向かっていかなければならないと思うんです」
儀間光男参院議員「下地幹郎は多少県民に誤解されても本当のことは言う。そして誤解されながらも説得をして回る、それが本当の政治家」
下地さんは自身が事務所を構え、大票田でもある那覇市で街頭での演説をスタート。辺野古移設問題は、県民投票で決着をつけ、その他の基地の跡地利用に積極的に取り組むと訴えました。
下地候補「この新都心は基地の跡地利用のモデル地域。そういう風に認識している。これから基地が返ってきても、ちゃんとこうやって活性化ができる」
一方、久高島で第一声をあげた喜納さんは、島唯一の看板にポスターを張り、集まった支持者らを前に、埋立承認の取り消しを訴えました。
喜納候補「国に対して異議申し立てをします。反対をします。取り消しをします」
斉藤まさし選対本部長「喜納昌吉が知事になって、年内に辺野古埋め立ての承認取消ができなければ、即時に辞職をするはっきりと約束をしています。この覚悟をぜひみなさん知って下さい」
喜納さんは久高島からサバニで沖縄本島に戻った後、神聖な斎場御嶽を訪れ、必勝を決意しました。
喜納候補「今回は、沖縄の心というものが非常に大事だと思っている」「すっきりすることは、辺野古の容認を取り消す。これが1番すっきりする」
翁長さんの出発式には、那覇市議会新風会の市議や経済界などの支持者らが集まる中、翁長さんは辺野古への新基地建設ノーを訴えました。
翁長候補「私は保守ですが、沖縄の保守です。日米安保に理解を示しますが、しかし0.6%のこの小さな面積に日本全国の74%を押し付けるというこの理不尽さは絶対に許さない」
翁長さんが最初の街頭演説の場所に選んだのは、名護市辺野古。キャンプシュワブのゲートまで座り込みを続ける人たちを前に、新基地建設はぜったに造らせないと訴えました。
稲嶺名護市長「名護市民の思いは沖縄県民の思いだという事を示す、大事な選挙です」
翁長候補「この県内での第一声をここで私が上げるということに、私と皆さん方の決意が一緒になったということを、是非多くの県民に知らせていきたい」
辺野古への基地建設を巡り、推進の姿勢を示す仲井眞さんの出発式には自民党の谷垣幹事長や県連所属の議員、経済界の代表らが顔をそろえました。
仲井眞候補「普天間解決最優先。そして21世紀ビジョンで大躍進。この大きな2本で頑張ってまいりますので、どうか皆さんのご支援宜しくお願いいたします」
自民党・谷垣幹事長「私たちと信頼関係を持ってお話ができるのはいったい誰なのか。それはここにおられる仲井眞知事です」
普天間基地の一日も早い危険性の除去や、基地負担軽減を訴える仲井眞知事。真っ先に宜野湾市の街頭に立ち、支持を訴えました。
仲井眞候補「辺野古地域の人々は条件はあるけど、いいよと手を差し伸べて頂いております」「この選挙戦を通じてウチナーンチュの心に訴えて、この普天間問題の解決に邁進したいと思います」
今回の選挙は、政府が進める辺野古への基地建設や仲井眞知事が行った埋め立て承認の是非を最大の争点に、各陣営が激しい舌戦を展開します。
県選挙管理委員会によりますと、きのう現在の県内の有権者数は110万8189人で、一部の地域を除き、あす31日午前8時半から期日前投票が行われます。
県知事選は来月16日が投票日で即日開票されます。
選挙担当の野島記者に聞きます。今回の知事選挙、全国的にも注目されていますが、やはり争点は基地ですか。
野島記者「仲井眞知事の年末の埋め立て承認受けて、辺野古への基地建設が本格化する中、それをこのまま進めさせるのか、止めるのか、正念場で迎えた中での選挙と言えます」
野島記者「下地さんは『県民投票』で改めて県民の意思を問いたいと強調しています。また喜納さんは「辺野古の埋め立て承認撤回」を明確にしています。翁長さんは埋め立て承認撤回も視野に入れた反対を表明。現職の仲井眞さんは『辺野古移設が現実的な解決策』だとして推進を打ち出しています」
今回の選挙は保守が割れた選挙としても注目されています。
野島記者「4年前の選挙で現職・仲井眞さんの選対本部長を務めたのが翁長さんでした。翁長さんと言えば、かつて自民党県連の幹事長も務めるなど保守の顔とされた人物。その2人が対立する、しかも翁長さんは今回、共産や社民など、革新系の支援も受けていて、つい1年前までは考えられない構図になっています」
やはりそれも辺野古という問題を前に、沖縄が岐路に立たされているということでしょうか。そういう意味では公明党の自主投票というのも注目です。
野島記者「公明党の票は県内でおよそ9万票ともいわれています。その票がどの候補者に行くのか、それも選挙の行方を大きく左右します」
野島記者「基地はもちろんですが、経済や教育など生活に関わる課題が山積する中、県民が何を基準に誰に一票を入れるのか、沖縄の将来を決める選挙だと言えそうです」
県知事選挙は16日に投開票が行われます。