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アメリカ軍基地で環境汚染が発生した場合などに日本側の立ち入りを認める新協定について日米政府は20日、実質合意したと発表しました。しかし、県内の専門家からは疑問の声も上がっています。

20日に開かれた普天間基地負担軽減推進会議で仲井眞知事は「環境補足協定につきましては、日米地位協定から54年を経て、初めての成果であります。新たな枠組みを作られたことは、沖縄を始め、全国の米軍基地所在自治体から高く評価されるものだと思います」と新しい環境協定を高く評価しました。

返還軍用地の汚染が次々と発覚し、嘉手納より南の大規模な土地の返還を控える中、新しい協定では基地内で環境汚染が発生した場合や返還に向けて調査が必要になった場合、日本の関係者の立ち入りを認めることが明記されました。

しかしこの発表について早くも疑問の声が上がっています。沖縄市のドラム缶問題などに取り組んでいる沖縄生物多様性市民ネットワークの河村雅美さんは「評価はできないと思っています。これまでとどこがどう違うのか全くわからないし」と指摘。実はアメリカ軍基地への立ち入りについては今から40年以上前既に合意されていました。

1973年の合意では、県や市町村が現場を直接視察したり、必要と考えた場合にはサンプルを入手することができると書かれています。しかしこの合意事項は2003年まで、その存在自体を沖縄県は知らされず実際制度が活用されていなかったのです。

河村さんは「制度としてはあるんだけど、米軍の裁量で全てが決まってしまう、そういう状態だったというのが現状です。市町村とか沖縄にとって適切なものになっているかどうかが不透明であると、そこが解決されていないんじゃないかという懸念がありますよね」と指摘し、今回もアメリカ軍や日米両政府の裁量に委ねられ、実際には意味のないものにならないかと懸念しています。