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普天間基地の移設について政府と県、また名護市など関係自治体が話し合う協議会がけさ東京で開かれ、仲井真知事は選挙公約に掲げた普天間基地の3年以内の危険性の除去を強く求めました。

一方、政府側は辺野古の新しい基地建設の工期を短縮する計画を示し、辺野古への移設作業がスタートしていることを示唆しました。

「就任後初めて協議会に参加した仲井真知事は、県の頭越しに進んだアメリカ軍再編の最終報告について改めて強い不満を述べた後で、普天間基地の早期の早期の危険性の除去を強く求めました」

けさ、総理官邸で開かれた普天間基地の移設問題を話し合う協議会には、政府側から防衛庁の久間防衛庁長官、高市沖縄担当大臣、また県側からは仲井真県知事、名護市の島袋市長ら関係自治体の代表が参加しました。

この中で仲井真知事はアメリカ軍再編についての政府間の最終合意が県への説明もなく決定されたことに改めて強い不快感を示しました。一方、政府はアメリカ軍再編に関わる政府間の交渉のプロセスを初めて県に説明し、V字型滑走路の建設案はもっとも実現性が高いと地元の協力を求めました。

また普天間基地の危険性をどのように除去するかについて、久間長官は「地元の理解を得るためにアメリカ政府とどのような選択肢があるか今後話しあいたい」と語り、環境調査や工事期間の短縮なども視野に入れていることを明らかにしています。

東京で取材に当たった岸本記者です。

県内移設を容認する立場で当選した仲井真知事としては、県民が抱える不安をダイレクトに伝えたという印象はあります。ですが、普天間基地の3年以内の閉鎖を目指すという知事の選挙公約について、お互いに全く議論がかみ合っていないんですね。

仲井真知事「3年以内の閉鎖状態というのはしっかり伝えました」

久間長官「知事から3年以内という具体的な言葉は出なかった」

同じ会議で向かい合って座っているのに、どうしてこんな認識の違いが生まれるのかわからないのですが、3年を公約にした知事、また久間長官としては3年以内の閉鎖は絶対に無理という考えですから、宜野湾市民が一番気にしているいつヘリの騒音や危険がなるなるのかという、ナイーブな問題をうやむやにしようとしている印象は受けます。

そして、今回の協議会の大きなテーマは2つあったのですが、まずは県の頭越しで政府間で合意した米軍再編協議への説明。これに対し仲井真知事は、最終報告に至ったプロセスの説明がなければ具体的なこちらの移設計画の話には移れないと主張してきたんですが、政府はきょうで県への説明責任は果たしたという見解です。

知事は納得はしていないようでしたけど、稲嶺知事の時に大きくもめた協議会への参加が仲井真県政になってようやく形が整い、今後、具体的な移設計画に話が移っていくことになります。

『早く普天間を閉鎖するための方策として、知事が挙げていた暫定へリポートや海外移転については話し合われなかったのですか?』

仲井真知事も、暫定へリポートや訓練の県外移転の話をきょうも政府に提案しています。でも政府としては、辺野古にV字型の滑走路をいかに早く作るかということで頭がいっぱいだなという印象を受けます。

来月にも3回目の協議会が開かれますが、今後はどう基地を辺野古に作るのか、その具体的な作業が遂に始まり出すと思います。