新春の訪れを告げる高校柔道の全国高校選手権大会QAB紫雲旗争奪柔道県大会が昨日行われ、去年この大会で19連覇の偉業を阻まれた沖縄尚学が伝統校の意地とプライドをかけて大会に挑みました!
沖縄尚学・兼島高雄監督「内容はともかく、ともかく勝ちたいです。どんな形であっても」
沖縄尚学・兼島監督のこの言葉に、昨日の全ての思いが込められていました。
QAB紫雲旗争奪高校県柔道大会には、県内12校から今年の主軸になる1、2年生・男女80人余りが出場し、団体戦と、個人戦に挑みました。
中でも一番の注目を集めたのは、3月の全国大会への出場権がかかった男女の団体戦でした。
去年の大会。過去18年間、無敗を誇り、王座に君臨し続けた沖縄尚学男子が、那覇西に破れるという波乱が起き、チームは苦い思いを味わいました。
雪辱に燃える沖尚は、初戦からチームの気迫を見せ付けます。準々決勝となった2回戦、沖尚は先鋒の1年生、松岡聖人選手が大活躍!宮古の先鋒、次鋒、中堅を立て続けに内股で退けます。さらに副将も内股で破った松岡は、一人で一気に5人を抜いて、沖尚が実力の差で圧倒し快勝!初戦を突破。
さらに準決勝でも松岡は、非凡な才能を発揮。強引に内股を仕掛けた後の天性のバランス感覚で技を決め、またも一人で勝ってチームを決勝まで導きます!
この、沖尚の気迫をびんびん感じ取っている監督がいました。去年の覇者、那覇西の横田三四郎監督。
那覇西・横田三四郎監督「(沖尚の気迫は感じますね)ありありと始まる前から。女子も男子もしっかりまとまって向かってきているなというのがありますので」
連覇に挑む那覇西でしたが、大きな悩みもありました。去年の主力メンバーで、インターハイ3位の実力を誇る七戸龍選手が3年生になり出場せず、チームは大きな柱を失っていました。
しかし、その穴を埋めたのが龍選手の弟、その名も「虎」選手でした。1年生ながら、兄に並ぶ190センチの上背を活かし、大外刈りを得意とする、期待の成長株。準決勝、4番手として登場した七戸選手は那覇工業の大将をけさ固めで仕留めます。
那覇西、沖尚、共に勝ちあがり、再び両雄が決勝で激突!
兼島監督「うちはもう挑戦者ですから、全員一丸となって総力戦で決勝にのぞみたいと思います」
赤の帯、沖縄尚学は先鋒・玉寄選手が踏ん張り、1勝1分けでリード二人目、次鋒の監物選手へ繋ぎます。一方、追いかける那覇西は3人目、中堅の七戸選手が登場!
七戸の得意技、大外狩りを十分に計算に入れた沖尚監物は足に喰らいついて技を封じますが、力で圧倒する七戸虎選手は強引に大外狩りでねじ伏せる!続く沖尚の中堅、伊良波選手も大外狩りで七戸に敗れ、那覇西が勝ち星を2勝として、沖尚1-2と逆転を許してしまいます!
ここで沖尚は4人目副将の宮城龍馬選手。前の二試合で七戸選手の体力を十分に奪いとる作戦に成功した沖尚、疲れの見える虎に、龍が襲い掛かります。
終盤、小内刈りで技ありをとった宮城選手が七戸選手を優勢勝ちで破り、試合は再び2勝どうしの振り出しに・・・。
そして、勝負を決める大将同士の対戦は、沖尚の大城選手が優勢勝ちを納め、優勝!2年ぶりに王座を奪還しました。
沖縄尚学・池原一史主将「練習もみんな一生懸命やったんで必ず勝とうと思っていました。(全国大会では)一戦一戦大事に戦って、少しでも上を狙えるように頑張っていきたいです」
また、沖縄尚学は女子の団体でも田原選手、具志選手、川満選手の3人が相手チームを圧倒。頭一つ飛びぬけた強さを発揮し、団体2連覇を達成しました!
沖縄尚学・田原主将「緊張してました。とっても。でも練習でやった事は出さないといけないと思った。キャプテンらしい仕事もできたのでよかったです」
沖縄尚学女子柔道部・真喜志康孝監督「やはりこの大会で男子が優勝全国制覇してますので、女子も早く全国制覇できるように一生懸命がんばりたいと思います」
沖縄尚学の男女アベック優勝で幕を閉じた沖縄大会。返り咲いた沖尚男子はベスト8以上を目標に、今度は3月の全国大会に挑みます。