あさって金曜日に名護市キャンプシュワブ沿岸部への基地建設について政府と県、地元が話し合う3回目の協議会が東京で開かれます。
政府は基地建設に一刻も早く着手したいとその態度を鮮明にしていますが、県や名護市は滑走路の位置など、その計画のすべてに合意しているという訳ではなく、今後の協議の行方が注目されます。
金曜日に開かれる協議会のポイントについて、岸本記者のリポートです。
岸本記者「普天間基地の替わりの施設ができる名護市キャンプ・シュワブの沿岸部です。キャンプシュワブの右側、灯台が立っているのが長島です。日米両政府はちょうどこのあたりにV字型の2本の滑走路を作る予定ですが、この滑走路の位置を巡って地元とまだ折り合いがつかない状況です」
仲井間知事「なるべく海側に出して騒音とかですね」「その辺が十分地元の納得いくところまで来てるかどうか」
塩崎官房長官「政府としては去年5月に日米で合意した案が基本だ。何も変わることはない」
滑走路の位置を巡り、対立する政府と県。一方、今月9日省に昇格した防衛省は−
久間大臣「政府同士が合意すれば、それでびた一文曲げずにやれると思ってしまうとすれば、そうした人たちは頭が固すぎると言っている訳であって」
久間大臣のこの発言は、10年間前に進まなかった前の沖合いへの建設計画を踏まえ、地元の理解を得る重要性を示したもの。
北部市町村会の会長を務める東村の宮城村長も、防衛省から非公式の提案があったことを認めます。
北部市町村会・宮城会長「防衛省の事務方から100メートルくらい沖に寄せたいという話はありました」
島袋名護市長「地元のことを考えると、騒音とかがありますから、できるだけ(V字滑走路を)沖合に寄せてほしい」
今後、地元の意見を反映させ、V字型の微修正という形で話し合いが進んでいくと見られる協議会。また、協議会のもう一つの課題が基地建設の前に行う必要のある環境への影響調査です。
仲井間知事「協議会の中で危険性の除去が議論される形になっているから、これは同時並行でやるしかないという言い方を申し上げてきている」
当初は普天間基地の危険性をなくす方法が示されなければ、新しい基地建設に向けた話し合いには入れないとしていた仲井真知事ですが、現在はV字型滑走路や環境調査の議論にも柔軟な姿勢。
北部市町村会・宮城会長「環境アセスについても早いとこやってもらいたいと」
政府側もキャンプ・シュワブの周辺海域に生息するミドリイシサンゴが産卵する5月より前に調査に着手したいと急いでいて、あさっての協議会では、環境影響評価の前の事前調査を通告してくると見られます。
衝突を避け、歩み寄りの姿勢を見せる政府と県、地元。
ただ、普天間基地の3年以内の閉鎖に向けた具体策が示されなければ、その危険性は新しい基地の完成までそのまま残ることになり、県はこの点について、政府に主張を続けていく必要があります。