今月21日開幕する夏の高校野球県大会を前に出場校を紹介する、めざせ甲子園!2校目は、夏の第4シード・宜野座高校です。笑顔がモットーのチームですが、ある試合での負けをきっかけにチームの雰囲気は変わりつつあります。
春夏3度の甲子園出場を誇る宜野座高校。その選手たちの活躍ぶりは、この地に吹く風に例えられガラマンの風と称された。もう一度、夢の舞台でガラマンの風を吹かせるべく放課後、グラウンドへと集まってくる選手たち。その中に、チームの中心となる選手が。
當眞圭介主将「か〜め〜は〜め〜歯〜ないおばぁ」
チームのキャプテンでありムードメーカー、當眞圭介を中心にまとまるのが、今年の宜野座野球部。キャプテンの影響もあってか、このチームはとにかく笑顔が多い。
マレージャ一同「おにぎりどうぞ(ハート)」
野球部員「このコメの味は、ノーコメント!」
この明るいチームを、今年春から率いるのは仲間大樹(ひろき)監督。その仲間監督がつけたチームの戦力分析はこちら。第4シードらしく高得点が並んだ。4点をつけた打撃力の中心は長打力がありながら、小技もできる器用さを持つ3番・仲間圭吾、ランナーがいる方が燃えるというチーム1のポイントゲッター、4番の宜野座颯。一度火がつくと止まらず、ビックイニングを作ることが多い打線は、相手にとって脅威となりそうだ。
注目すべきは同じく4点をつけた投手力。中心となるのはこの2人。春の県大会、準決勝までの4試合すべてに先発した知念諄也。背番号は11ながら、この春はエース級の活躍で試合を作ってきた。
そして春、エースナンバー1をつけたのが伊保拓海。マックスは135キロながら、持ち前の負けん気の強さで打者に勝負を挑む。その伊保は、春の県大会、腰のけがの影響もあり、マウンドに上がったのは決勝戦のみ。その決勝戦が、伊保にとって忘れることのできない1戦となった。
伊保拓海投手「春も自分の力試そうと思ってやったら全然で…」
春の県大会決勝、この先発マウンドに立った伊保。しかしエースとしての投球はできず、5失点。3回持たずして、降板。その後もチームは悪い流れを断ち切ることができず。決勝の舞台で2-15と糸満に大敗を喫した。試合後、伊保の姿はベンチ裏にあった…
伊保拓海投手「自分の力が全然足りなかったなと、みんなが自分のために決勝まで来てくれたのに、みっともないピッチングをしてしまって本当に申し訳ないなと思いました。」
力不足を実感した春。リベンジを誓い、伊保は最後の夏に向かっている。そして、この決勝での大敗で危機感を持ったのは、伊保だけではない。
當眞圭介主将「後ろの人、カバーしっかりやれよ、OK?(うぇい)OK?(野手エラーで)お前きょう2回目だろ」
笑顔を大切にしてきたチーム、しかし、それだけでは上では勝てない。そのことを一番強く感じたのは、誰よりも笑顔をモットーとするキャプテン。
當眞圭介主将「あの試合は自分たちの気持ちの弱さが全部出てごまかしでは勝てないというのが痛いほどわかった試合だったのでうまくなるんだったら、キャプテンが言うしかないんで正直得意ではないんですけど、しっかり言うようにしています。」
仲間大樹監督「笑えない状況だよということでキャプテンの當眞が前に出て、一生懸命、危機感を感じれと。」
春を終え、當眞の口からはチームを引き締める厳しい言葉が増えた。
赤崎龍一副主将「昔は(指摘が)苦手だったんですけど、今はキャプテンらしく一番言うようになってます。みんな本当に変わったと思います。」
春の大会で気付かされた勝負の厳しさ、その厳しさを乗り越えてこそその先には最高の笑顔が待っているはず。宜野座の地に吹く、ガラマンの風のごとくこの夏、宜野座旋風を巻き起こす!
知念諄也投手「この夏最後なのでチームの目標である甲子園目指して頑張っていきたいです。」
伊保拓海投手「今度は自分が夏は甲子園連れて行きたいと思います。」
當眞圭介主将「(最後は)宜野座らしい楽しい野球をやれれば、とても良いかなと思います。」
「ふざけんな、ふざけんなお前(キス)NO1!おう、ワー」
2001年には甲子園ベスト4まで上り詰めた宜野座高校、夢の甲子園をめざし、笑顔の中にもしっかり厳しさを持って挑みます。あすのめざせ甲子園は、コザ高校です。