※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
News Photo

アメリカ軍はきのうとおとといの2日間で最新鋭のステルス戦闘機F-22、10機を嘉手納基地に配備しました。アメリカ国外の基地にこのF-22が配備されるのは初めてのことです。

このF-22の配備は軍の戦略の中でどのような意味を持つのか?そして、心配される周辺住民への影響はどうなのか?岸本記者の報告です。

岸本記者「12時6分です。最新鋭戦闘機F-22の黒い機体が今嘉手納基地の上空に姿を現しました」

先週土曜日、予定より一週間遅れで沖縄に到着したF-22の先発機2機。その様子を不安そうな様子で眺める県民や観光客。

嘉手納町民「このまがまがしさに自分がどれだけ正常な心の状態を保てられるかという不安と、負けていられないという両方の気持ちで、今とても緊張が体の中にみなぎっていますね」

観光客「横須賀から来てるもので、米軍基地を(いつも)見てますけど、ここは(横須賀基地より)もっと広くておどろきました。私達もみなさんが一生懸命運動されていることに参加すればよろしんでしょうけど」

岸本記者「土曜日に続いて18日も続々とF-22が嘉手納基地に到着しています。F-15よりも大きな翼。近くで見ると圧迫感を感じます」

きのう新たに8機が到着し、兵士10数人が警備する厳戒態勢の中で行われたメディア公開で、運用する部隊の司令官はその戦闘能力の高さを何度も強調しました。

第27戦闘中隊・ウェード司令官「F-22は最新技術の塊である。空軍では5世代目の戦闘機で、特に空中戦では極めて高い戦闘能力を発揮する」

一機あたり160億円と嘉手納基地の現在の主力機、F-15の3倍以上の値がするF-22。外見上は尾翼の形以外大きな違いは見られませんが、敵のレーダーに捕まりにくいステルス性と超音速できる時間が長いという特性から極めて高い攻撃力を持っています。

嘉手納基地への配備の理由についてアメリカ軍は『極東における適切な抑止体制を維持するため』と説明。地元が抱える不安について質問すると『沖縄のためにもなる』と主張しました。

運用責任者・ケビン中佐「F-22の配備は嘉手納基地の空軍にとっても、沖縄の人たちにとっても大きなメリットとなる。今後の訓練で、いろいろなことを学ぶ貴重な機会になっていると私達は考えている」

嘉手納基地への配備は当初、3ヶ月から4ヶ月の一時的なものとされていましたが、きのうの説明でアメリカ軍はF-22が本国以外で行っている遠征のローテーションに組み込まれていることを明かし、F-22の嘉手納での展開が今後、繰り返される可能性があることが分かりました。

嘉手納町・田仲議員「新たな不安と怒り、抗議の意思をはっきりと示さないといけないことを痛切に感じた」

今後、F-15や青森三沢基地の所属するF-16と連動した訓練が始まるF-22。

現時点で世界最強といわれる戦闘機の配備で、嘉手納基地の軍事拠点としての役割がますます強化されることは間違いありません。

このF-22、あすにも新たに2機が嘉手納基地の到着し、全部で12機の運用がこれから始まる予定で、その騒音は、F-15や他の戦闘機と変わらないとアメリカ軍は説明しています。しかし、訓練の頻度や使用空域などは運用上の理由で、地元には一切知らされず、基地の周辺住民は自由に飛び回るこの黒い不気味な戦闘機の下での生活を余儀なくされます。