こんばんは4月11日(金)のニュースQプラスです。連日お伝えしている、八重山教科書問題。けさ、竹富町教育委員会は、国の是正要求に対し不服申し立てしないとする判断を示しました。2011年に「教科書の一本か」を巡り始まった問題は国による教育への介入ではないかなど、全国の注目が集まる中、問題はこれで解決へ向かうのでしょうか。
八重山教科書問題で、竹富町教育委員会は、きのうに引き続き、再度協議し、国からの是正要求には不服申し立をしないことを明らかにし、一方で、今後竹富町教育委員会、単独で教科書を採択する方針を明らかにしました。
竹富町教育委員会 慶田盛教育長「学校教育は、教育論が優先すべき。とにかく今の現状と合わないそぐわない ですから我々は、是正要求を受け入れない。」
草柳アナウンサー「ここからは取材にあった山本記者に聞きます。山本さん、今回の国の是正要求に対して竹富町教育委員会は一つの方向性を示しましたね。」
山本記者「はい。竹富町教育委員会は、弁護士や有識者を交えた勉強会を何度も開催していて、委員の方の苦労と疲労がにじむ中での会見となりましたが、後半では、ようやく重い荷物を下ろした後という雰囲気で、安堵の表情もみられました。」
倉持アナウンサー「これでやっと解決の方向に向かうのでしょうか?」
山本記者「そう簡単にはいかないようです。仮に竹富町による単独採択が実現した場合、町教育委員会による、新たな採択地区協議会のルール作りや、教科書を審査する調査員の先生の確保など小さな島の少ない先生達への負担は、大きくなる可能性があるんです。」
草柳アナウンサー「国の是正要求に対抗するために苦しい決断をしたということでしょうか。」
山本記者「そう捉えられる部分もありますが、喜びの表情をみせる場面もありました。慶田盛教育長は、採択地区を小規模化することで地域の特色、文化、環境を考えマッチした教材選べる。市町村単位から、いずれは学校単位で選べるようになることを期待すると話していました。」「ここで、教育学に詳しい、琉球大学の山口剛史准教授に話を聞いています。」
山口准教授「もともと2011年に(協議会の)規約の改正のあり方、調査員の位置づけのルールの変更を発端にこの問題は起こりました。そこに当時の自民党、そして現在の政府与党や文科省が、結論ありきの不当な政治介入をしたことがこの問題の本質です。ですので竹富町を分離したからといって、不透明なプロセスの中で(教科書を)選んだということが解決されるわけではないだろう。」
山本記者「このように、今回の単独採択の方針を示したことで、竹富町としては、国の是正要求という圧力を回避し、子どもたちの教科書を独自で選ぶという選択をしましたが、まだ、問題は尾を引きそうですね。」
草柳「そもそもひとつだった八重山がなぜ分割されてしまったのかその問題の根本原因に、国は踏み込んでいません。」