久米島町立美崎小学校。ここに10歳の若社長がいると聞いてやってきました。
美崎小学校・親泊優子先生「最初に聞いた時はとても驚いたんですが、この子を見ていると考え方もしっかりしているし」
担任の先生「10歳の社長になれるという素地は持っていたのかなって」
担任の先生も認める小学生社長はいったいどこに?一クラスしかない4年生の教室をのぞいてみると、そこには元気にはしゃぎまわる普通の小学生の姿だけ・・・。
このクラスにはいないのか・・・。いえ、この中にいるのです。
吉田拓郎くん「こういう者です」
そつなく名刺を出してきたこの男の子こそ、小学生にして会社の社長となった、その名も吉田拓郎くん!10歳!!
拓郎くんが社長を務めるのは、久米島に自生する植物「ノニ」で作ったジュースや石鹸などを販売する家族経営の会社「久米島物産販売」。近年の健康食品ブームを背景に注目を浴びているノニは、昔から久米島の人々の生活になくてはならないものでした。
ところがその島の「ノニ」が県外の業者に買い付けられていることを知った拓郎くんが、何とかできないものかと、父親に相談したことが会社を興すきっかけになったのです。
拓郎くんの父「久米島に対する思いというのは10歳の子どもだろうが、大人だろうが思いがあれば、それを十分活かすべきだと考えているんです」
学校が終わると家の近くの畑へまっしぐら。家畜の世話や、畑の様子をチェックします。そして家に帰れば、自宅そばの事務所でお兄ちゃんの拓真くんと一緒にノニジュースの梱包作業。さらに空港のお土産品店などを周り、商品を置いて欲しいと営業活動。
吉田拓郎くん「一番心がけているのは、えっと、社員とかに気配りすることです」
10歳にして、社長としての哲学もしっかり持っている拓郎くん。そんな拓郎くんにいろいろと聞いてみました。
(Q:成績が伸びず悩む営業マンに)「今出来なくてもずっとやっていればみんな気付くからだから、それまで頑張って」
(Q:営業不振に悩む会社の社長へ)「社員団結っていうか、みんなで協力しあったら絶対出来るって」
(Q:良い社長、悪い社長とは?)「良い社長っていうのは、みんなに気配りもできるし、みんなに迷惑をかけないと思う。悪い社長とかは、わがままとかがあると思う」
(Q:ちなみに気になる社長の給料は?)「ハハハ。時々社長としてではなく、子どもとして、お小遣いとして2ヶ月に1回くらい小銭をもらえるかなって感じ」
長女・鈴香さん「拓郎くんは吉田家のパワーです」
三女・優香さん「久米島物産販売の社長でもあり、我が家の社長でもあります」
この日は本島にいるお姉ちゃん達も久米島に戻り、楽しい一家団欒。吉田家はお父さんの政也さんに、お母さんの昌美さん。そして長女の鈴香さん、次女の清香さん、三女の優香さん。長男の拓真くんと拓郎くんの7人家族です。
家族でステージにも立つという吉田家のモットーは「健康第一、人生楽しく」。吉田家に笑顔が絶えることはありません。
吉田拓郎くん「応援してくれる人がたくさんいるから、ちょっとくらいの挫折とかじゃ、この会社は壊れないと思う」
吉田拓郎くん「ハハハ。納得。お前30歳だろ!」
10歳の社長、吉田拓郎くん。久米島の未来を担う大きな夢を抱いた男の子は、大きな家族の絆に支えられていました。