県外移設の公約を掲げていた知事がなぜ辺野古の埋め立てを承認したのか。19日からその真相を追及してきた百条委員会で20日、仲井眞知事に対する証人尋問が行われました。
委員会は午前10時、仲井眞知事の何も隠さないとの宣誓でスタートしました。委員からは、知事が承認する前に東京で政府関係者と面談したことが、判断に影響を及ぼしたのではないか。また、承認ありきの審査結果だったのではないかなどの質問が飛びました。
嘉陽宗儀県議が「政府の大きな力があったのではないかと疑わざるをえないわけです」と質すと知事は「埋め立てについての話はやっておりません」と応答。渡久地修県議が「辺野古移設を容認した結果こういう審査結果になったと思いますが?」と尋ねると知事は「承認が先にありきではありません。きちっと法律に則った手続きと内容をチェックしながら結論を出した」と話しました。
また新垣清涼県議の「政治的な判断でNOもできる。なぜしなかったのか?」という質問には「政治的な判断といっても一定の限界があると思います。」「色々な基準に沿って適合していれば承認すると言わざるを得ない」と答えていました。
質疑では、入院中の12月22日に菅官房長官と会ったことなどが新たに明らかになりましたが、野党の追及を淡々と交わす知事の答弁からは、承認へと至った核心部分は見えないままでした。
自民の座喜味一幸県議は「環境に対する配慮、法律と各利害関係者、関係市町村との意見もしっかりと聴収されているということで」「非常に丁寧に承認されたというのがはっきりした」と話しています。
一方、社民の仲村未央県議は「一番根底に関わる県民が一番知りたいと思う意思決定過程が明らかにならない。証言でも明らかにならない。記録上も明らかにならないということが今まさに問題ではないでしょうか」と言います。
百条委員会では、週明けの24日に名護市の稲嶺市長らを参考人として呼んだのち、3月12日に調査結果をまとめた中間報告を公表する予定です。