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Qプラスリポートです。12年前、神奈川県でアメリカ兵による性暴力の被害にあったキャサリン・フィッシャーさん。アメリカに逃亡した加害者を自力で見つけ出し、去年、日本の裁判所が命じた賠償金支払いを求めた裁判に勝訴しました。

この12年間の戦いを伝えたいと、年末、沖縄を訪れたキャサリンさんに話を聞きました。

キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん「But now the truth is has been reviled after 12 years.」(「12年間で、ついに真実が明らかになりました」)

オーストラリア人のキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんは、12年前、横須賀市で、見ず知らずのアメリカ兵に性的暴行を受け、肉体的、精神的にどん底に突き落とされました。

裁判では、加害者のアメリカ兵に300万円の損害賠償が命じられましたが、ある日突然、アメリカに逃亡し、行方不明となりました。ジェーンさんは、日本政府に、犯罪者の国外逃亡を防ぐために地位協定を変えてほしい、性暴力の被害者の救済センターを作ってほしいと訴えてきました。しかし・・・

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外務省地位協定室担当者「そもそも外務省にそういう性犯罪被害者のカウンセリングとか、対策について、ごめんなさい、知識が全くなくてですね・・・」

そんな中、キャサリンさんは、自力で加害者を見つけ出し、アメリカの裁判所に訴えた結果、「日本の判決は有効だ」と認められ、勝利したのです。

12年間の戦いの節目に、沖縄にやってきたキャサリンさん。彫刻家・金城実さんのアトリエを6年ぶりに訪ねました。

キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん「And the thing which is really interesting is American is holding guns against the Okinawan people. And Okinawan people never retaliated never do anything. They are saying you know stop it. Stop doing to us. 32 How can you continue doing this? 」 (「驚いたのは、ここ、アメリカ兵を見て。沖縄の人たちに銃口を向けている。でも沖縄の人たちは誰も武器を持っていないわ。ただ「やめろ」と訴えている。「沖縄県民のもうこんなことをするな。どうしてこんな酷いことを続けるんだ」と。」)

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沖縄戦の間、そして戦争が終わった後も、踏みにじられた沖縄の人々の痛みと怒りをキャサリンさんは自分の苦しみとして感じていました。

6年前、北谷町で開かれた県民大会で、初めて自分が受けた暴行の事実を明かしたキャサリンさんは、大会の前日、初めて訪れたこのアトリエで、沖縄の人々の痛みにふれ「苦しんできたのは私一人ではない」と初めて気づかされたといいます。

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キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん「アメリカの裁判勝った時はさ、the one dollar was symbolic to me. Because I think in justice one person is just for all of us. 」(「アメリカの裁判勝った時はさ、賠償金の1ドルは私にとって正義の象徴だった。だって、私一人にとっての勝利は、みんなにとっての勝利だったから」)

「正義の1ドル」キャサリンさんがそう呼ぶのは、経済的に支払う能力がないという加害者から得た賠償金です。なぜ、わずか1ドルの賠償金で裁判を決着させたのか。それは、お金よりも重要な事実が明らかになったからだといいます。

The Navy lawyer told Mr. Deans “You’re now leaving Japan”…he thought, “since he told me I had to leave, I’m thinking everything is washed.”…I just followed orders. (「アメリカ海軍の弁護士は(被告人に)こう言った。「今すぐ日本を出国しろ」。被告人は思った、「弁護士がそう言うならば、全ては洗い流されたのだ」「私は、軍の命令に従っただけだ」)

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キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん「ordered out of the country, just as a obstructed, so if this happening just to me? Is this happened to anybody? Investigation needed to be started immediately.」(「加害者の国外逃亡は、自らの意思ではなく、米軍の命令だった。それは私だけに起きたことなの?それとも同じような被害者が他にもいるの?今すぐ調べなければいけない」)

この12年間、事件の後遺症に苦しみながら、2000万円を超える裁判の費用を捻出するために、3人の子どもを抱えながら働き続けてきたキャサリンさん。それは精神的にも、経済的にも、苦しい日々でした。

キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん「でも絶対ね、頑張って。絶対に、二度とさ。本当に、(他の誰にも)地獄みたいな感じになってほしくないよ」

キャサリンさんが「沖縄のお父さん」と呼ぶ、彫刻家の金城実さん。こんな言葉を贈りました。

金城さん「あんたみたいに、抵抗するということは、我々の子ども、next generation. There is a resistance, senseable resistance keep honor the develp. (あなたみたいに抵抗するということは、我々の子どもや次の世代の人々につながる。尊厳を持って、抵抗し続けることだ。)」

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「ぐまさんはいがとぅてぃんぬまりーみ。」

国や軍隊、大きな存在に潰されそうになっても「小さな針」となって、抗い続けること。沖縄には、私と同じく加害者のアメリカ兵が逃亡して、泣き寝入りをしてきた女性たちがいるはずというキャサリンさん。お金ではなく、真実を求める戦いはこれからも続きます。

キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん「こんなに長い間やって、私は12年。だけど沖縄68年かかっているなら、私も死ぬまで頑張ります。金城さん。」

キャサリンさんは今後、アメリカの裁判で明らかになった犯罪者の国外逃亡と軍隊の関係性を明らかにするよう、日本政府とアメリカ政府を追及していくと語っています。Qプラスリポートでした。